自分の本音に嘘はつかないほうがいい、そう堀江氏が言うワケとは…?(撮影:梅谷秀司)

日本初の民間ロケットの打ち上げに成功、和牛ビジネスのプロデュースなども手がける堀江貴文氏。さまざまなイベントや、ゴルフなどの趣味に国内外を飛び回る堀江氏は、スキマ時間に触るスマホで仕事の指示を送っている。

「いかに時間を使わずに多くのものを生み出し、効率よく世の中に伝えるか」を徹底する堀江氏の「時間術」とは?堀江氏が何よりも大切にする「時間」だけをテーマにした初の著書『時間革命』から一部を抜粋・再構成して紹介します。

「我慢すること」に熟練しすぎている

神経質なまでに健康を気にして食事をセーブするくらいなら、現代人は「心の健康」のことをもっと考えるべきだとぼくは思う。

といっても、うつとかメンタルヘルスとかいった本格的な医療を必要とする以前の、ストレスケアのレベルの話だ。

ストレスは万病のもとになりうる。実際、ストレスが免疫系の働きを低下させるというデータもあるし、人間の老化にも深く関わることがわかっている。

大きなストレスを抱えて生きている人は、実年齢に比べても老けていることが多いし、どこかくたびれているように見える。また、集中力やパフォーマンスに対しても、ストレスが悪影響を及ぼすのは、言わずもがなだろう。要するに、ストレスを放置すればするほど、人生で自由に使える時間は減っていく。そう、ストレスは「時間の大敵」なのだ。

不思議なのは、「体の健康」に関しては世の中の関心も高いのに、「どうやって心を健康に保つか」ということについては、意外とみんな無頓着で、それぞれが我流で適当に対処(あるいは放置)しているということだ。

みんな、「ストレスを我慢すること」に熟練しすぎている。満員電車などその最たるものだろう。

普段から言いたいことを言い、食べたいものを食べ、寝たいだけ寝るようにしているので、ぼくはストレスがまったくたまらない。イヤな人間や状況に出くわすこともあるが、あまりにも不愉快なときはその場で発散するようにしている。

本音を隠すたびに、他人の都合に合わせた人生に…

「自分時間」を生きたいのならば、極力、ウソをつかないほうがいい。

ウソをつくということは、相手の信じる現実にこちらが迎合する行為だから、ウソをつけばつくほど、その人は「他人時間」を生きなければいけなくなる。

日々の自分を振り返ってみてほしい。心の底ではくだらないと思っているアイデアに対して、つい「へえ、それはいいアイデアですね」などと言っていないだろうか? 本当は1ミリも納得していないのに、「なるほど。了解しました」と返事をしたりしていないだろうか? 余計なお世話だと感じているのに、「お心遣い、ありがとうございます!」などと頭を下げていないだろうか?

これだって立派なウソだ。本音を隠すたびに、あなたの人生は、どんどん「他人時間」で埋め尽くされていく。他人の都合に合わせた人生になっていく。

今から13年前、ライブドア事件の容疑者として東京拘置所の独房に入れられたときですら、ぼくはウソをつかなかった。こういうときは、検察サイドがつくりあげた明確な「ストーリー」が用意されており、容疑者がそれをすっかり飲み込むまでは、執拗に取り調べが続けられる。

しかし、彼らがこしらえた「筋書き」は、ぼくが知っている事実とはまったく違っていたし、そもそものロジックが破綻していた。


ウソをついてまでそれを認めても、何かメリットがあるようには思えなかったし、そもそもぼくは、自分の気持ちにウソをつくことに我慢がならない。だから、最後まで本音だけを語り、容疑を否認し続けることになった。

別に、「何があっても、絶対にウソをつくな」と言っているわけではない。「ウソも方便」という場面はあるかもしれない。

しかし、少なくとも「自分に対するウソ」だけはつかないほうがいい。

ストレスをため込みながら、本心に逆らって生きることに慣れてはいけない。自分の本音がどこにあるかすらわからなくなる前に、やりたいことをやって、言いたいことを言おう。