中島の活用法は森保ジャパンの課題のひとつ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本代表の悩みどころのひとつが、中島翔哉の活用法だろう。
 
 1−4で大敗した11月19日のベネズエラ戦でこのナンバー10は、個の力で対抗できた唯一のアタッカーだった。所属するポルトで控えに甘んじる関係もあり、コンディションやプレー感覚はベストとは言い難かったが、随所で持ち前のテクニックや創造性、縦の推進力を発揮。『OPTA』によれば、タッチ(82)、シュート(6)、クロス(9)、デュエル(21)、ドリブル(5)、敵陣ペナルティーエリア(7)、被ファウル(8)のすべてが、いずれも両チーム最多だった。
 
 その一方で、トリッキーなヒールパスや狙い過ぎの横パス、強引なドリブルなどに失敗し、不用意なボールロストが相変わらず目立ったのも事実。これが敵陣の深い位置ならともかく、ピッチ中央付近や自陣でやられると、言うまでもなく敵のカウンターを食らいやすい。ベネズエラ戦でも何度かそんなシーンがあった。
 
 また本人は、帰陣が遅れて失点したコパ・アメリカでの反省からいつも以上に守備意識を高く持っていたようだが、根本的にはディフェンスが得意な選手では決してない。体格(167cm・62kg)を考えても、守備時に最終ラインの手前まで戻すメリットはほとんどない。
 
 そう考えると、森保一監督がこれまで中島を置いてきた4−4−2(4−4−1−1)の左サイドハーフは、ベストポジションとは言い難いだろう。このポジションでまず求められるのは攻守のバランスであり、中島の場合は攻撃面に目盛りが振りすぎている。格下相手のワールドカップ2次予選はともかく、最終予選やワールドカップ本大会では通用するか甚だ疑問だ。
 
 ただ、中島は南野拓実、原口元気、久保建英、堂安律、伊東純也という2列目のタレントの中で、現時点では個の打開力がもっとも高い。背番号10を与えているのは森保監督や協会の期待の表われだろう。ポジションやシステムの修正を含めて、活用法をもちろん探るべきだ。
 
 中島が最も輝ける形は、左のパーフスペースからのドリブルやワンツー、スルーパスなどによる仕掛け。4−4−2(4−4−1−1)の左サイドハーフに置いても、サイドに張るよりは中央に絞り、左ハーフスペースでまず足下にボールを収め、そこから仕掛けようとする傾向が強い。逆足(左サイドにいる右利き)なこと、そしてそれが自分の最も得意な形だからだろう。
 
 そのプレースタイルを考えると、最初から中央寄りのポジションに置くのがひとつの手。ベネズエラ戦でも前半は左サイドハーフだったが、後半は中央のセカンドトップに移り、よりボールに絡む機会が増えると同時に、違いを作る頻度も高まった。
 
 ただ、ダブルボランチの手前もしくは同ラインに下がってボールを受けるシーンが多かった点は気掛かり。前述した通りこの位置でのボールロストは被カウンターリスクが高いうえ、中島は中盤でビルドアップに絡むよりも、仕掛け/フィニッシュでこそ持ち味が活きるタレントだからだ。
 
 そこで提案したいのが、4−3−3へのシステム変更。中島のポジションは左ウイングだ。中盤センターが3枚になればアタッカーが組み立ての局面にそこまで絡む必要はないうえ、3トップの一角ならば決して得意ではないディフェンスの負担もかなり軽減される。組み立てや守備の負担を減らし、攻撃にできる限り専念させる――。
 
 全員守備・全員攻撃を掲げる森保監督の思想からは外れる、ある意味で「優遇」措置だが、チーム最大のタレントを活かすためにはそうしたソリューションもありだろう。同列で語るべきではないが、例えばリオネル・メッシやネイマール、クリスチアーノ・ロナウドなどを見ればそれは明らかだ。
 
 この4−3−3で想定できるのは、例えばこんな形。3トップは右から南野、大迫、中島、3センターハーフはインサイドハーフに山口蛍と柴崎岳、アンカーに遠藤航。4バックは右から酒井宏樹、冨安健洋、吉田麻也、長友佑都、GKは権田修一という11人だ。堂安や久保のポジションがなくなるものの、あくまでも中島を軸にして攻守のバランスを考慮すれば、ベストに近い布陣だろう。
 
 両ウイングの南野と中島には、サイドを抉る仕事よりも左右のハーフスペースで仕掛け/フィニッシュに絡むセカンドトップ的な仕事を求めたい。サイドで幅を作ってクロスを狙うプレーは主に酒井と長友の両SBに担わせれば、中島は得意の形に専念できる。
 
 12月のE-1選手権は国内組だけで臨むため、中島が次に代表合流するのは来年3月のワールドカップ予選(ミャンマー戦とモンゴル戦)。もちろんその時のメンバー次第ではあるが、そこで試してみる価値のある布陣ではないだろうか。
 
取材・文:白鳥大知(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
 
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