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ダイキン工業とフェアリーデバイセズは11月21日、新規に開発したウェアラブルデバイス「THINKLET」をダイキン工業の現場業務に導入し、熟練のエンジニアが遠隔地の作業者をサポートできるようにすることで、サービス業務の課題を解決すると発表した。

ダイキン工業 執行役員 テクノロジー・イノベーションセンター長の米田裕二氏は、「今後、空調機市場はグローバルで大きく伸びることが予測されているが、現場には課題がある」と述べた。同社の現場における課題とは、「熟練者不足による現場業務のコスト増と機会損失」「業務の属人化によるノウハウの消失」「エンジニアにとってコアではない業務の負荷」の3点だ。

さらには、サービス現場の情報を収集・蓄積する手段がないことから、現場の情報を組織内で共有できず、経営に生かせていない状況が発生しているほか、海外拠点では、作業品質が国や地域によってバラバラであることも課題となっているという。

こうした課題を解決するため、フェアリーデバイセズが開発した「THINKLET」およびテクノロジースタックと、ダイキン工業が開発した業務支援Webアプリケーションを組み合わせ、遠隔作業支援ソリューションを開発する。

遠隔作業支援ソリューションを利用する際、現場のサービスエンジニアはTHINKLETを装着し、熟練のサービスエンジニアとコミュニケーションをとる。

THINKLETは、5個のマイクを搭載し、装着者と対面者の音声を収集でき、騒音環境下でも高性能の音声認識が可能としている。また、Wi-Fiおよび4G LTEを搭載しており、クラウドに接続して業務データを収集できる。THINKLETは首にかける形で装着できるので、両手で作業をしながら利用できる。

具体的には、現場のサービスエンジニアは、遠隔作業支援ソリューションの「音声(双方向)」「動画(片方向)」「動画スナップショット」「手順書共有」「リアルタイムでの会話表示」といった機能を介して、離れ場所にいる熟練のサービスエンジニアの支援を受けることができる。

1人の熟練者で最大5人までの遠隔支援が行えるため、熟練者の不足から生じている課題の解決につながる。サービスエンジニアにとっても、音声・動画を活用して効率よく、業務をこなすことが可能になる。

また、現場作業の映像、支援者が指示を書き込んだ静止画、リアルタイムでテキスト化された会話の内容がデータベースに自動で格納されるので、現場ごとの対応履歴が確認でき、同様の作業が必要な場合のなどに活用できる。

さらに、AIを用いて作業現場の映像や音声をデータ化し、作業報告書作成などの業務の自動化、作業マニュアルの高度化を図ることでオペレーションの最適化を進め、サービスエンジニアにかかる負荷を軽減する。

遠隔作業支援ソリューションはまず、2020年8月に日本国内での本格展開される計画だ。これにより、慢性的な人手不足に加え、大型イベントの影響などの渋滞による移動困難も予想される夏のサービスエンジニア不足に対応する。

今後は、遠隔作業支援ソリューションの機能拡張を図ることで、機器の稼働状況と過去の故障原因を照らし合わせた早期の故障検知、世界中の現場業務のノウハウと翻訳技術の組み合わせによるグローバル支援体制の構築などを進めていく。

また、サービス業務だけでなく、空調機の設置工事や、設置前の現地調査、工場の製造業務など、作業の効率と品質の向上が求められるさまざまな現場業務において、遠隔作業支援ソリューションの本格展開を目指す。