GIジャパンC(東京・芝2400m)が11月24日に行なわれる。

 国際招待競走でありながら、数年前から外国からの参戦馬が減り続け、今年はついにゼロ。日本調教馬だけで争われることになった。

 また、昨年のレースで超絶なレコードタイムをマークして快勝し、今年のGI天皇賞・秋(10月27日/東京・芝2000m)でも圧勝した「現役最強馬」アーモンドアイが不在。さらに、今年のGI凱旋門賞に出走したキセキ、ブラストワンピース、フィエールマンといった古馬トップクラスや、牡馬クラシックで活躍したイキのいい3歳牡馬の参戦もなく、やや寂しいメンバー構成となった。

 ただその分、馬券的な妙味は増す。「主役不在」とも言われるレースにあって、かなりの高配当が期待できるかもしれない。

 そうなると、昨年のような高速決着にはならないと思われるが、日刊スポーツの松田直樹記者によると、「(東京競馬場は)絶好の馬場状態が維持されており、昨年に近い高速決着になる予感がしています」と言う。

「というのも、先週土曜日の東京・芝レースにおいて、2歳の未勝利戦と重賞でレコードが記録されました。新馬戦でも、レコードには届きませんでしたが、東京・芝マイルの新馬戦で史上最速の時計がマークされています。勝った馬がいずれも評判馬だったことを差し引いても、それらの結果が(現在の東京競馬場が)高速馬場であることを示していますし、ある関係者が『来週のジャパンCでは、2分19秒台(の時計)も出ちゃうんじゃないか』と冗談を言うほどの馬場。週中に予想される雨がどの程度かわかりませんが、基本は速い決着になると思っています」

 では、そうした馬場コンディションにおいて、どういった馬が狙い目になるのだろうか。松田記者はこう語る。

「昨年の上位馬のように、外をブン回すような大味な競馬をする馬ではなく、うまく内に潜んで、速い時計に対応できる先行馬が穴をあけそうな気がします。そういう意味で、まずはダンビュライト(牡5歳)を推奨します。骨折明けの前走GII京都大賞典(10月6日/京都・芝2400m)では、いきなり2着に粘り込みました」



高速決着でも力を発揮しそうなダンビュライト

 しかしながら、ダンビュライトが古馬になってから勝利した重賞、昨年のアメリカジョッキークラブC(中山・芝2200m)や、今年のGII京都記念(2月10日/京都・芝2200m)で見せた、巧みな立ち回りからは”高速決着に対応できる”というイメージが沸きにくい。

「たしかに、その2戦はいずれもゆったりとしたペースで、2、3番手の好位を進んだダンビュライトが直線半ばで先頭に立ち、そのまま押し切っています。結果、展開に恵まれた印象が強いかもしれませんが、血統的にはスピード競馬に対する可能性を秘めています。

 なぜなら、今春の1000万下(現2勝クラス)・比良山特別(京都・芝2200m)で、全弟のネプチュナイトが2分9秒7という驚異のレコードタイムを記録して勝利。同じ血を持つ1歳上の兄も、同様の素質はあるはずです。

 加えて、父ルーラーシップは5歳時になって、成績に安定感が増してきた晩成の馬。ダンビュライトも、休み明けだった前走が本格化の兆しだったとすれば……。大駆けがあってもおかしくありません」

 そして、松田記者はもう1頭、推奨馬を挙げる。

「カレンブーケドール(牝3歳)に大きな魅力を感じています。今回と同じ舞台で行なわれた今春のGIオークス(5月19日)では、勝ち馬ラヴズオンリーユー(牝3歳)とはタイム差なしのクビ差2着。その走破時計(2分22秒8)は同厩舎の偉大な先輩、アーモンドアイのオークスにおける勝ち時計より1秒も速いんです。

 GI馬が5頭いるメンバーの中に入ってしまうと、実績的には劣りますが、その多くが”旬”を過ぎた印象。しかも、古馬牡馬の斤量が57圓紡个靴董■該侈毒呂龍堽未53圈そこは、大きなアドバンテージになります。過去10年で牝馬が6勝しているのも、その斤量差が影響しているのではないでしょうか。この春同様、高速決着に対応できれば、一発あっても驚けませんよ」

 一方、デイリースポーツの大西修平記者は、GIタイトルのない古馬牡馬の2頭に目を向ける。

「1頭は、ムイトオブリガード(牡5歳)です。快勝した前走のGIIアルゼンチン共和国杯(11月3日/東京・芝2500m)が好内容した。好位から鮮やかに抜け出して、最後まで集中力を保って伸びていたところに、ひと夏越しての成長が見受けられました。休み明けを叩いて上積みも十分。中間の気配からは、前走以上の活気が感じられます。

 そのうえ、東京コースは6戦4勝、2着1回、5着1回と掲示板を外しておらず、最も得意とする舞台。なかでも、東京・芝2400mでは3戦3勝と申し分のない結果を残しています。鞍上のクリストフ・ルメール騎手とも、過去3戦コンビを組んで2勝。持ち味は十分に把握しているはずです。一気の相手強化で人気が下がるようなら、勢いのある今、積極的に狙ってみたいですね」

 大西記者が推すもう1頭は、ランフランコ・デットーリ騎手が騎乗するルックトゥワイス(牡6歳)だ。

「前走のアルゼンチン共和国杯では4着に終わりましたが、トップハンデの57kgを背負っていたことと、もともと始動戦に予定していた京都大賞典をアクシデントで見送った影響があったと思われます。それでも、スローの前残りの展開のなか、最後は大外から4着まで追い上げたのは”負けて強し”と言っていいでしょう。

 そして、この馬も東京コースとの相性がいい馬(9戦2勝、2着4回、着外3回)。掲示板を外したのは、重馬場だったデビュー戦と、出遅れた昨年のアルゼンチン共和国杯だけです。

 もともと使いつつよくなるタイプで、ひと叩きして、中間の攻め気配からは確実に上積みが見込めます。乗り替わりも、世界的な名手を迎えて心配は無用。そのため、戦績以上に人気してしまうかもしれませんが、GI馬が何頭もいるなかでは、まだまだ伏兵扱い。狙う価値が大いにあります」 日本馬だけで行なわれる初のジャパンC。戦前の「穴馬」評価から、ここを勝って歴史に名を刻むほどの大成を収める馬が、ここに挙げた4頭の中にいても不思議ではない。