電子たばこを利用する男性(2018年10月2日撮影、資料写真)。(c)EVA HAMBACH / AFP

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【AFP=時事】電子たばこはここ10年で急速に広がった。しかし、その使用に関連する死や病気も報告されており、すでに取り扱いを禁止している国もある。

 電子たばこについて5項目をまとめた。

■発明から約20年

 電子たばこの原型は、1960年代に米国で考案された。だが、現在の実用的な電子たばこに関しては、2000年代初めに中国人薬剤師のホン・リク(Hon Lik)氏によって発明されたことが知られている。1日1箱吸っていたたばこをやめようとしていたホン氏は、2003年から2005年にかけて特許を取得。その後、世界的に人気を集めた。

■仕組み

 電子たばこでは、液体(リキッド)を電気的に加熱し、発生する蒸気を吸う。リキッドには、ニコチンの他、加熱時にたばこと同じような煙を出すためのプロピレングリコールと植物性グリセリンも含まれている。ニコチンの量はさまざまだ。

「eジュース」と呼ばれるリキッドの一部はフレーバー付きとなっており、中には大麻に含まれる精神活性物質「テトラヒドロカンナビノール(THC)」などの物質が入っているものもある。

 その一方で、循環器疾患やがんとの関連が指摘されているタールや一酸化炭素といった、従来のたばこに含まれる有害物質は含まれていない。

■健康への影響

 従来のたばこによる死者数は毎年約800万人に上るとされる。そうした状況において、健康への影響では電子たばこの方が小さいとされてきた。事実、英国の保健当局は2015年、電子たばこでは、従来のたばこに比べて95%害が少ないとする推計値を発表している。

 しかし、電子たばこの有害性をめぐる懸念は広がり続けている。世界保健機関(WHO)は今年7月、「間違いなく有害であり、規制の対象とすべきだ」と電子たばこについて言明した。

 さらに、電子たばこのフレーバーが特に若者を引き付けており、若者の喫煙の常習化を懸念する声も上がっている。米国では電子たばこに関連するとみられる死者は39人、肺疾患患者は2000人を超えており、この大半を若者が占めている。

 米疾病対策センター(CDC)は11月、米国で電子たばこの使用に関連した肺疾患が広がっている問題について、リキッドに含まれる化学物質「ビタミンEアセテート」が原因だと発表した。

■市場の急激な拡大

 市場調査会社「ユーロモニター・インターナショナル(Euromonitor International)」によると、世界の電子たばこの使用者は2011年の700万人から、2018年には4100万人に急増している。一方、WHOの最新の統計によると、従来のたばこの使用者は、2016年は11億人だった。

 電子たばこの最大の市場は米国で、次いで英国、フランス、ドイツ、中国となっている。また、電子たばこの使用は、若者の間で劇的に増えている。

■規制強化の動き

 インドは今年9月、電子たばこが若年層の間で急速に広がっていることを指摘し、輸入、販売、製造、広告を禁止すると発表した。電子たばこはこの他、ブラジル、シンガポール、タイで禁止されているが、この他の国々での規制はまちまちだ。

 米国では、マサチューセッツ州が電子たばこを禁止している。また今年6月には、カリフォルニア州サンフランシスコが、米国の都市として初めて電子たばこの販売・製造を事実上禁止した。さらにニューヨーク州も9月、ミシガン州に続いてフレーバー付き電子たばこの販売を禁止している。

 米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は今月、フレーバー付き電子たばこ製品の禁止を検討しており、業界代表と協議するつもりだと明らかにしていたが、ここにきて販売を禁止する法案への署名を先送りしたことが伝えられた。2020年大統領選への影響を懸念したためだという。

【翻訳編集】AFPBB News

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