画像提供:マイナビニュース

写真拡大

企業におけるさまざまなワークフローを管理するプラットフォーム「Now Platform」を提供するServiceNow。同社は最近、ワークフローをデジタル化することで業務の効率化を図り、働き方を改善することを提唱している。

今回、同社のCTOであるパット・ケーシー氏に、同社の強み、同社のソリューションが働き方改革にどのように貢献するかについて、話を聞いた。

○強みは「メタデータドリブンなプラットフォーム」

ServiceNowと聞いて、ITサービス管理のSaaSを提供するベンダーというイメージが真っ先に浮かぶ人もいるだろう。同社はITサービス管理からビジネスをスタートしたが、今では、人材管理、財務プランニング、プロジェクトポートフォリオ管理など、企業におけるさまざまなワークフローを管理できるサービスを提供している。

ケーシー氏は、「われわれは元々アプリケーション・ベンダーではなく、プラットフォームの企業として創立した」と語った。ただし、最初からプラットフォームを売り込むことは難しいことから、同社がどのようなことをできるかを示すため、まずはアプリケーションを開発してリリースしたところ、市場に受け入れられたのだという。

同社のプラットフォームの特徴はメタデータドリブンな点だ。ケーシー氏は「プラットフォームの構築の要は、ツール群をそろえていくところ。この方針は今も貫かれている。アプリケーションを構築する際、プラットフォームがベースとなっており、顧客も同様にプラットフォーム上にアプリケーションを構築できる」と述べた。

ケーシー氏は「われわれのアドバンテージはプラットフォームにある」と話す。同社のターゲットは大企業だが、大企業は独自の仕事のやり方を持っているが、ServiceNowを利用すれば、自社の固有のニーズに合わせてアプリケーションを容易に構築でき、アップデートも苦労なく行えるという。

ケーシー氏は「プラットフォームは、顧客の期待値、テクノロジーの進化に合わせて、毎年改善している。5年前はAIが今ほど一般的に使われていなかった。時代に合わせてプラットフォームを革新している」と語った。

ちなみに、競合について聞いてみたところ、次のような答えが返ってきた。

「アプリケーション、分野にもよるが、最も競合するのはSalesforceだろう。彼らもメタデータドリブンのプラットフォームを持っている。しかし、われわれのほうがモバイルに関する機能が強力であるとともに、カスタマイズ可能な点で柔軟性であり、UIも魅力的だ」

○働き方改革を進める2つのポイント

ServiceNowは、企業に対し、ワークフローをデジタル化することによって、生産性向上を提案している。企業が生産性を上げて、働き方を変革するために、何が大切か、ケーシー氏に聞いてみた。

ケーシー氏は、「たくさんある」と前置きした上で、最も重要なことを説明した。仕事には定型的な仕事と創造的な仕事がある。定型的な仕事とは、Microsoft Wordを使って文書を作成したり、休暇やPCの故障を申請したりといったものだ。同氏はこうした仕事について、次のように説明した。

「プロセスを消費している点で、コンシューマーの消費行動と同じだ。したがって、こうした仕事の効率を上げるには、使い勝手のよいUIを構築することが大事。こうした仕事を簡素化することで、働き方改革につながる。例えば、電話をかけるだけだったチャネルに対し、音声とチャットを融合すれば、多彩なチャネルにつながるようになる」

さらに、ケーシー氏は働き方改革を進めるポイントとして、「AIで自動化すること」を挙げた。AIを使えば大規模なデータを分類できるし、仕事のルーティングも自動化できる。「自動化を進めることで、人に依存する部分が減る。その結果、人は価値を生まない仕事に手と時間を割く必要がなくなり、価値を生み出す仕事に集中できるようになる」(ケーシー氏)

○複雑性が低い仕事で進む自動化

さて、業務の自動化を進める上で、AIがカギになるのだろうか。ケーシー氏は「AIに限らず、テクノロジー全体が進化している。データセットが増えると、AIの学習効果が高くなる」と語った。

「業界全体がスマートになってきて、自動化のノウハウが蓄積してきた。AIが最も広範囲に使われているのが、教師付き機械学習だ。これは、コンシューマーの世界でも広がっている。例えば、どのメーカーが人気があるのか、どの商品を消費者が買おうとするかなどをAIで予測している。そして、今、予測能力の活用がエンタープライズでも広がっている」(ケーシー氏)

しかし、ここで疑問に思うのが「自動化」はここ数年で出てきた技術ではないということだ。数十年前から、IT業界では「自動化」が提唱されている。この問いに対し、ケーシー氏は「確かに、自動化のテクノロジーは誕生してから30年たっている。そして、コンピュータの処理能力が十分高速になってから15年たっている。自動化に適応する能力はここ10年かけて進んできた」と答えた。

現状としては、ケーシー氏によると、複雑性が低い仕事において、自動化の大きなメリットが出てきているという。例えば、サービスデスク、コールセンター、ヘルプデスクの業務において、担当者のアサインメントの解決する問題の優先度の判断の自動化が進んでいるほか、チャットボットでよくある質問に回答するといったケースが増えている。

今年10月に開催されたServiceNowの年次イベント「Now at Work Tokyo」では、アフラック生命保険がServiceNowの製品を導入して、働き方改革を進めていることが紹介された。同社では、Now Platformとスマートスピーカーを連携させることで、音声によってNow Platformの画面をPCに表示することを実現している。

ケーシー氏は「オフィスでのスマートスピーカーの利用は、周囲の人への騒音やプライバシーの確保などの課題もあるが、画期的なこと」と話していた。

同社のサービスは多様であり、それらを連携させていくことで、さまざまな自動化を実現できる。生産性の向上を目指す企業にとって、1つの選択肢となるだろう。