百貨店の雄・日本橋三越本店。この店には「らしからぬ」意外な店舗が出店するという。
果たしてそれは――。

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 百貨店の雄・三越伊勢丹ホールディングス(以下、三越伊勢丹、本社:東京都新宿区)が今月相次いで「らしからぬ」発表をおこなったことが大きな話題を呼んでいる。

◆合理化で人気ブランド「アナスイ」をも手放す三越伊勢丹

 三越伊勢丹による「らしからぬ」選択――その1つは、人気ブランド「ANNA SUI」(アナスイ)事業からの撤退だ。

 三越伊勢丹がアナスイ事業を開始したのは1996年のこと。2018年3月までは「ケイタマルヤマ」とともに同社の子会社「マミーナ」による展開であったが、現在は三越伊勢丹本体の展開となっている。

 撤退は売上の低下によるもの。百貨店不振が叫ばれるなかでも「デパコス」(百貨店向け化粧品)の売上は比較的好調だといわれているのに一体なぜ?と思う人も多いであろうが、三越伊勢丹のアナスイ事業のうち不振なのはアパレル分野だといい、三越伊勢丹によるとアナスイ事業の全売上はピークだった2007年と比べると半分程度にまで急落していたという。

 実は、アナスイで人気を集めている化粧品、バッグなどについては別の企業がライセンシーを受けて製造・販売しているものであり、三越伊勢丹の店内で販売されている商品も多いものの、同社がそれらを独占的に販売している訳ではない(詳しくは後述)。ちなみに、2017年3月期の「マミーナ」全体の売上高は40億円、営業損益3億円の赤字であった。

 しかし、アナスイのように百貨店で数少ない「若者にも人気のブランド」の展開は、貴重な集客源だったであろう。特にアナスイのデザイナーであるアナ・スイ氏は、来日した際にはしばしば新宿伊勢丹で記者会見やイベントをおこなうなど、同社とアナスイは切っても切り離せないほど親密な関係であった。「三越伊勢丹はここまで切羽詰っているのか、そして三越伊勢丹ではもうアナスイの商品は買えなくなるのか」という消費者の嘆きの声も聞こえてくる。

◆注意したいのは「アナスイの商品が買えなくなる訳ではない」ということ!

 さて、ここで注意したいのは、三越伊勢丹の事業撤退により「今後アナスイの商品が国内で買えなくなる」という訳ではないということだ。

 三越伊勢丹が展開するアナスイ店舗は一般店10店舗とアウトレット店2店舗のみ。これらの店舗は2020年3月まで(アウトレット内の2店のみ2020年9月まで)に撤退するというが、現時点ではそれ以外の多くの店舗はこれまでと変わらず営業を続けるとされており、国内のアナスイ全店が閉店する訳ではない。

 また、アナスイの商品のうち化粧品部門は「アルビオン」(本社:東京都中央区)、バッグ部門などは「KUIPO」(クイーポ、本社:東京都新宿区)が製造・販売をおこなうなど、日本国内にはアナスイのライセンシー企業が複数ある。

 そのため、今後も国内でのアナスイ商品の販売は継続されるとみられ、おそらく三越伊勢丹の各店でもアナスイのバッグはバッグ売場で、ハンカチはハンカチ売場で、化粧品はアルビオンが運営するアナスイコスメの売場で……などといった風に、以前よりも規模を縮小したかたちでの展開がおこなわれることになるであろう。

◆新たに招き入れたのは――「日本橋三越にビックカメラ」!?

 三越伊勢丹がアナスイを手放す一方で、新たに招き入れる「意外な店」もある。それが日本橋三越本店に出店することを発表した家電量販店「ビックカメラ」だ。

 ビックカメラといえば首都圏では他にも「そごう大宮店」や11月に開業した「西武所沢店」など百貨店に出店する例もみられ、また、三越伊勢丹においても新宿三越ビルにユニクロとの複合店舗「ビックロ」として出店していることが思い浮かぶ。