東京五輪本大会の予想メンバー。オーバーエイジを3人呼ぶとすれば、残りは15枠という”狭き門”に。(C)SOCCER DIGEST

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[キリンチャレンジカップ]U-22日本0-2U-22コロンビア/11月17日/エディオンスタジアム広島

 U-22日本代表は11月17日、エディオンスタジアム広島でU-22コロンビア代表と対戦。0−2の敗戦に選手個々は危機感を強めていて、これからのポジション争いはより激しくなりそうだ。東京五輪本大会まで約8か月。これからサバイバルレースはどんな展開を迎えるのか。森保一体制では国内初のテストマッチが行なわれたこのタイミングで、本大会入り18名を予想していく。

 まずオーバーエイジは最大の3人と見る。絶対的な軸が不在のCF、ゲームメイクに大きな影響を及ぼすボランチの一角、層が薄いウイングバックが有力な候補だ。

 そうなると残りは15枠。これをU-22代表の選手で争う構図となる。CFはオーバーエイジを除くと多くても2枠で、かねてよりこの世代のエースと謳われ、最近復調しつつある万能型の小川航基(水戸)と、圧倒的なスピードを持つ前田大然(マリティモ)がそこに入るか。ただし抜け出しが魅力で、ここまでチームトップの15得点を挙げている上田(鹿島)も捨てがたく、オーバーエイジ選手のタイプによって左右されそうだ。
 
 実力者揃いのシャドーは3枠と見る。堂安律(PSV)、久保建英(マジョルカ)というA代表でもお馴染みのふたりに加え、U-21代表発足当時から10番を着けて攻撃を牽引してきた三好康児(アントワープ)が当確だろう。食野亮太郎(ハーツ)や安部裕葵(バルセロナ)といった候補者も、能力に疑いの余地はないが、当落線上と見るのが現実的か。

 左ウイングバックにはコロンビア戦では招集されなかった杉岡を予想した。今回は調子を落としているためか招集が見送られたものの、18年3月から今年10月のブラジル遠征まで常にメンバー入りした実績は伊達ではない。復調すれば再びメンバー入りするのはほぼ間違いないだろう。
 
 一方のウイングバックにオーバーエイジを使うとして、バックアッパーには、直近のコロンビア戦とブラジル遠征で存在感を高めている菅原由勢(AZ)が入るのではないか。ウイングバックだけでなく、名古屋時代にはCBを務め、現クラブではウイングもこなす、そのポリバレント性はシステムを変更する際に役立ちそうだ。

 ボランチには、キャプテンの中山雄太(ズウォーレ)と田中碧(川崎)が現状では収まりそう。コロンビア戦では精彩を欠いた中山だが、10月のブラジル戦で見せたように、ボール奪取もキックの技術もこの世代でトップクラス。コンディションが万全なら外す理由はない。その中山とコロンビア戦でペアを組んだ田中駿太(大阪体育大)は的確なパス捌きが魅力だが、10月のブラジル戦で2得点を挙げた田中碧の強烈なインパクトには及ばない。

 ディフェンスラインはU-22コロンビア戦のスタメン3人、岩田智輝(大分)、立田悠悟(清水)、板倉滉(フローニンヘン)に加え、A代表でレギュラーを担う冨安健洋(ボローニャ)が筆頭候補だ。ウイングバックにも対応できる岩田、ボランチもできる板倉は、戦術の幅を広げられる人材だ。今では完全にA代表の常連になった冨安はすでに、18年5月のトゥーロン国際で、このチームに一度呼ばれている。当時はチームで唯一全4試合にフル出場していて、フィットに関しては大きな問題はないと見る。

 GK2枠は大迫敬介と小島亨介。現在レギュラーを務める大迫は言わずもがな、だろう。大分で出番を掴めていない小島は10月のブラジル遠征とコロンビア戦には招集されていないものの、今年3月のU-23アジア選手権予選までこの世代の正守護神だったというのは、それだけの実力があるわけで、再びメンバー入りする可能性は高い。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)