孫楊【写真:Getty images】

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渦中の孫楊、15日の公開聴聞会で潔白を主張

 今夏の世界水泳で男子200メートル、400メートル自由形で2冠を達成した孫楊(中国)。ドーピング検査妨害疑惑の渦中にある中国人スイマーは最長8年間の資格停止処分を受ける可能性があるが、世界反ドーピング機関(WADA)がスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴した問題で、公開聴聞会が15日にスイスのモントルーで行われ、孫楊は改めて潔白を訴えている。

 孫楊は昨年9月に行われたドーピング検査で血液サンプルを破壊した疑いが世界水泳前に浮上。だが、FINA(国際水連)は検査員の過失を認めて不問とし、大会への出場が認められていた。しかし一緒に表彰台に上がった選手が表彰台登壇、写真撮影を拒否するなど抗議行動が相次ぎ、スポーツ界で大きな波紋を呼んでいた。

 15日は公開聴聞会が行われたが、オーストラリア紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」では孫楊の潔白の主張を改めてレポートしている。

 記事では「孫楊の事件は、彼が尿検査のサンプルの提供を拒み、そしてそのサンプルボックスを破壊したということだ。それはドーピング検査チームのメンバーが怪しげに動いていたし、適切な資格を欠いていたようだったからだ」とし、検査官の身元が不透明だったために、サンプルの提供を拒んだことに言及しているという。

 血液サンプルを持ち出そうとDCO(ドーピング管理検査官)が動くと、孫楊側がそれを阻止したと当時の状況を説明しているが、孫楊は「彼ら(検査官)は私次第だと我々に伝えた」「もし私が血液サンプルを開けることが出来たら、それを持っていて良い」などと告げられたと主張しているようだ。

聴聞会の会場は通訳が機能せずドタバタ

 一方で記事ではWADAの顧問弁護士であるリュヒナー氏が「6年以上あなたはアンチドーピングのために200を超えるサンプルを提出してきました。今日までに200回以上のテストを受けてきたあなたが、正当な手順だというのに気付いていなかったのですか?」と問いかけたことにも言及している。

 何度もドーピング検査を受けてきたはずの孫楊の振る舞いに疑問を呈したのだが、記事では「この問題の重要なところは、孫楊にうまく翻訳が伝わっていなかったということだ」と伝え、通訳がうまく機能しない聴聞会のドタバタぶりにも触れている。

 WADAの主張が認められれば、東京五輪への道が断たれる孫楊。結論が出るのはもう少し先になる。(THE ANSWER編集部)