2017年アストロズとのワールドシリーズに登板したドジャース時代のダルビッシュ有【写真:Getty Images】

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アストロズの“サイン盗み疑惑”はGM会議でも議題に、各球団が批判「罰してほしい」

 アストロズの“サイン盗み疑惑”がメジャーのGM会議で大議論になったことを米紙「USAトゥデイ」が大々的に報じた。その中で2017年のワールドシリーズでドジャース時代のダルビッシュ有投手が打ち込まれたことも議論に挙がっている。

 事の発端は11日(日本時間12日)に米スポーツメディア「ジ・アスレチック」が報じたスクープ。球団史上初の世界一に輝いた2017年にアストロズに所属していたファイアーズ投手(現アスレチックス)が、本拠地の外野に設置したカメラで同僚らがサイン盗みを行っていたことを証言し、球界に大きな波紋を広げていた。

 14日(同15日)に終わったGM会議でもこの話題が議題に上がり、各球団のGMたちもアストロズが行った行為を批判している。

 米紙「USAトゥデイ」は「これで全てが傷つけられた:アストロズのサイン盗み疑惑に野球界は厳しい処罰を望んでいる」との見出しで、アストロズのサイン盗み疑惑を伝えた。記事では各球団のGMたちが「アストロズを罰してほしい」と強く同意していることをレポート。巨額の罰金、ドラフトの権利剥奪、さらに17年のワールドシリーズのタイトルも剥奪すべきとの意見も上がったという。サイン盗みは暗黙のルールとされているが、あるナ・リーグGMは記事の中で「自分の目で見てサインを盗むのとは違う。それはみんなやっている。彼らは、電子機器を使ってやっているんだよ」と糾弾している。

ワールドシリーズでの炎上がダルビッシュの契約に影響?「彼がどれだけのお金を失ったか」

 さらに2017年のワールドシリーズでダルビッシュが第3戦、第7戦に先発し、いずれも2回をもたずKOされた試合にも注目。第7戦はドジャースタジアムでの登板だったものの、第3戦の会場はミニッツ・メイド・パークだった。当時、ドジャースは違和感を覚え、ダルビッシュの投球をビデオで見たものの、球種が予測できるような癖などは何も見つけることができなかったというのだ。

 同紙は、メジャーリーグのルールでは電子機器を使ってサインを盗んではいけないことを指摘。ある球団幹部の「彼らは、なにか違う手段を使ったんだと思う。ライブの映像でもなければサインを盗むなんて絶対できないよ」という証言も紹介している。

 そして記事では「ダルビッシュがワールドシリーズで酷く打たれたことを思い出してほしい。もし、それがなければ、彼は、2018年に2月まで待って6年総額1億2600万ドル(約136億7500万円)でシカゴ・カブスと契約を結んだだろうか? (このことで)彼がどれだけのお金を失っただろうか?」と締めくくっている。ワールドシリーズで打ち込まれたことで、同年オフにFAとなったダルビッシュの“価値”に少なからず影響があったとの見方だ。衝撃的なスクープの波紋が広がっている。(Full-Count編集部)