キルギス戦は2-0の勝利。もっとも内容には課題が残った。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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[カタール・ワールドカップ・アジア2次予選]日本2-0キルギス/11月14日/ドレン・オムルザコフ・スタジアム

 4連勝、さらにすべて無失点と、ここまでのカタール・ワールドカップ・アジア2次予選の戦いは、結果に関しては申し分ない。

「それ(無失点での4連勝)は評価できる部分。これまでの2次予選は引き分けたり、失点はしていましたし、アウェーの難しいなかで、タジキスタンの時もそうだし、それは最終ラインだけでなく、GK、前の選手も含めてしっかり守るということは、チームとしてできている。最後の最後で身体を張っているし、今日のゴンちゃん(権田修一)もそうですが、凄い反応で止めてくれました。個々のところ、そこは力が付いているのかなと思います」

 キルギス戦後に長友佑都が力強く語ったように、4試合で13得点・0失点という結果は胸を張って良いのかもしれない。

 しかしだ、キルギス戦は南野のワールドカップ予選4試合連続弾、国際Aマッチ5試合連続弾となるPKで先制し、原口元気の直接FKで加点して2-0と勝利したが、内容は乏しいものだった。

 所どころ芝が剥げ、ぬかるみもあったピッチ状況の影響もあったのだろう。攻撃ではパスミスが目立ち、それならばと、原口元気、南野拓実らがドリブル突破を図っても単発で終わる。コンディションを考慮され、メンバー外となった大迫勇也に代わり、CFで先発起用された永井謙佑はポストプレーが拙く、得意のスピードを活かせたシーンも限定された。流動的な攻撃を見せることはできなかった。

 また守備面では相手の右サイドから対角線のボールを、日本の左サイドへ送られ、その処理に苦慮。左SBの長友も「サイドの選手がずっと張っていて、シャドーの選手が僕の前にいたので、結局は中に絞りながら、サイドチェンジのところで対応するしかなかった。そこのところで数的不利、中に絞って対応する難しさはありました。ただ最後のところで身体を張るしかないと思っていました」と振り返る。

 勝ったのは日本だが、キルギスの良さのほうが光った、どこか不思議なゲームだったと言わざるを得ない。

 吉田麻也はキルギス戦の前日にこんなことを語っていた。
「僕らはまだまだヨーロッパや南米のチームと戦える位置にはいないと思うので、こういう試合を多くやっていると、自分たちが良い状態にいると勘違いしてしまいがちですが、まだまだ戦えるレベルではないですし、もっと泥臭く戦える集団になれるように良い時こそ自分たちを律してやっていきたい」

 それはキルギス戦後の柴崎岳の言葉とも重なる。
「結果が出ているとはいえ、こういう時だからこそ、何ができていて、何ができていないのかというのを、より見つめないといけないかなとは思います。これが一番、難しいところだったりする。強豪とやって、そういうことを見つけるのは簡単ですけど、こういう勝っている時ほど、自分たちの足もとを見つめるというのは簡単なことではないので、そういったことを肝に銘じてやっていきたいです」
 大迫を欠くと機能性が乏しくなる攻撃は、チーム発足からの課題で、中島翔哉、堂安律らが好調の時は良かったが、彼らのコンディションが落ちた際に誰が代わりを務めるのかも、現状では不透明だ。

 また守備陣はキルギス戦で苦戦した長友を筆頭に平均年齢は上がっており、なおかつ両SBの選手層の薄さは懸念材料で、ボランチはクラブで出場機会を掴めていない遠藤航、最近は出番が減っている柴崎岳のコンビで、加えて言うならキルギス戦で好セーブが光った権田修一もポルティモネンセではレギュラーを奪えていない。
 欧州クラブで厳しい立場に置かれている選手が多いのは、大きな不安材料である。

 端的に言えば、2次予選は格下の相手が揃う。ただこれが最終予選となれば、相手の実力は格段に上がる。キルギス戦のようなパフォーマンスを続けていれば、カタール・ワールドカップの出場権獲得も難しいミッションになる可能性はあるだろう。森保ジャパンは順調な航海に見えながら、抜け出すのが難しい海域に足を踏み込んでしまったのかもしれない。指揮官が今後、どうチームを導いていくのか注目だ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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