「裸一貫!つづ井さん」という漫画が人気だ。自分とオタク仲間たちの何気ない日常をポジティブに描いて、アラサー女子に受けている。街で聞くと、「独特な絵」「日常生活」「気持ちがわかる」「尊敬する」などという言葉が返ってくる。書店員も「大人は自制してしまうものですが、彼女たちはブレーキをかけていないのが羨ましい」というのだ。

作者の「つづ井さん」はテレビには出ないなど素性を明かしていないが、安村直樹アナがインタビューにこぎつけた。漫画そのままに、ハイパー・オタク・ライフだという。たとえば、突然「恋人」の意味が気になって広辞苑を引いたら、「恋しく思う相手」とって、「やったあ、お付き合いしてなくても恋人らしい」と、大発見に興奮するのだという。ハンガーに好きなキャラを貼り付けて、「腹筋を手伝ってもらえる装置」を開発したりもする。

犬山紙子(イラストエッセイスト)は「私の時代は、オタクであることを隠していたんですが、オタクでいいんだというのがいい」と話す。

4人の実体験描いたら「楽しそう」と編集者が着目

SNSに載せていたのが編集者の目に留まり、3年前に単行本デビューした。担当編集者の白川さんは、「女子が楽しそうにしているのが面白いなと思いました。ギャグ漫画だとテンションについていけなくて疲れちゃうが、つづ井さんのは、しんどいときでも読めるんです」

つづ井さんは中部地方で会社勤めをしながら一人暮らしのアラサー女子だ。「完全に私の日常を描いた絵日記。その日起こったできごとを、挿絵をつけて描く。小学生の頃からしていて、稚拙な文章を補うためイラストを描いていたのが、今の絵日記の形になったんです」と話す。そう、内容は実体験で、4人の仲間と過ごす日常は、笑いに溢れているという。日常のなかの楽しいことだけ描く。辛くなる思い出は描かない。

今考えている最強の老後は、「結婚、出産は想像がつかないので、友人たちとグループホームに入れたらいいよね」と言っているそうだ。

犬山「彼女の漫画は、日常の属性から解放してくれる。ほんと素晴らしい」

司会の加藤浩次「変なけれんみがない。スーッと入れる」