現在、メンバーにコンスタントに入っている選手はもちろん、新しい選手をどんどん試してほしい。今回、初招集した進藤亮佑(札幌)、あるいは左利きの松原后(清水)、永戸勝也(仙台)、東京五輪世代からも岩田智輝(大分)、原輝綺(鳥栖)らの起用があってもいい。進藤や松原らが出場チャンスを得ることができれば、目の色を変えてポジションを取りにいくだろう。そういうギラギラした存在感がチームをより活性化していく。

 キルギス戦を見ているとチームは高い完成度を見せたアジアカップから少し煮詰まっているというか、停滞期に入っているように見える。ここに大迫や久保建英、冨安健洋がいないからとかではなく、そういうムードはなんとなくチームの戦いから感じられるものだ。

 森保監督の選手選考には、それぞれのポジションに確固たる軸があり、特に最終ラインは守備に対する要求が高いので攻撃的なサイドバックの選手にはハードルが高い。

 だが、無風聖域をなくしていくことでチームはさらに成長していける。まだ声がかからない選手は無風域に大きな風波を起こすようなプレーを見せてほしい。今の日本代表をより強くさせるためには、そういう選手たちによる突き上げと新陳代謝が常に必要だ。

取材・文●佐藤俊(スポーツライター)