秋の「マイル王決定戦」GIマイルCS(京都・芝1600m)が11月17日に行なわれる。

 今年も、マイル戦の舞台で実績のある好メンバーが集結。各馬の実力差は決して大きくなく、スタートの良し悪しはもちろんのこと、展開や流れ、位置取りなどによって、勝つチャンスはどの馬にも巡ってくるのではないか。

 実際、過去10年の結果を見てみると、1番人気はわずかに1勝。波乱が起こりそうな匂いがプンプンする。

 ならば、穴狙いに徹するのも悪くない。過去10年の結果を参考にして、今年のレースで激走しそうな馬を探し出してみたい。

 最初に押さえたいのは、勢いのある上がり馬だ。

 2010年に6番人気で3着に入ったゴールスキーをはじめ、2015年に4番人気で戴冠を果たしたモーリス、2017年に7番人気で3着となったサングレーザーらがいい例だ。

 ゴールスキーは、500万下(現1勝クラス)から条件戦を3連勝してオープン入り。いきなり、このGI戦に出走して3着となった。

 モーリスも、同年1月には1000万下(現2勝クラス)の身だったが、そこから1600万下(現3勝クラス)、GIIIダービー卿チャレンジトロフィー(中山・芝1600m)と3連勝を飾って重賞制覇。勢いに乗ってGI安田記念(東京・芝1600m)まで快勝すると、およそ5カ月半ぶりに挑んだマイルCSをも制した。怒涛の5連勝でマイル界の絶対王者となった同馬は、その後、海外GIを2連勝し、GI4連勝という快挙を遂げている。

 そして、サングレーザーも500万下から3連勝してオープン入りすると、GIIスワンS(京都・芝1400m)も勝利。そのまま、GIの舞台でも3着と好走した。

 今年、こうしたタイプに近いのは、ダイアトニック(牡4歳)だ。


「上がり馬」ダイアトニックの一発に期待

 年明けの時点では1000万下クラスにいたものの、1000万下、1600万下と連勝してオープン馬に。続くダービー卿CT(3月30日)こそ4着に敗れたが、その後はオープン特別の安土城S(5月26日/京都・芝1400m)、重賞のスワンS(10月26日)と再び連勝し、上り調子にある。

 過去の例を踏まえても、下級クラスから一気に勝ち上がって、重賞まで制している馬は無視できない。多少人気になっても、狙っていきたい存在だ。

 次に着目したいのは、3歳馬である。

 マイルCSと言うと、以前は3歳馬にとって厳しい舞台だった。それが、ここ2年は3歳馬が立て続けに頂点に立っている。2017年がペルシアンナイト(4番人気)、2018年にはステルヴィオ(5番人気)が覇権を獲得した。

 そして、今年も3歳馬には有力な1頭がいる。GI日本ダービー(5月26日/東京・芝2400m)の2着馬で、古馬と初対戦となったGII毎日王冠(10月6日/東京・芝1800m)を休み明けで完勝したダノンキングリー(牡3歳)だ。

 ただし、同馬は1、2番人気を争う馬。配当的な旨味に欠ける。

 そこで、あえて穴っぽい3歳馬を狙ってみたい。ダノンキングリーのほかに3頭いる3歳馬の中では、クリノガウディー(牡3歳)が面白い。

 というのも、2歳時にGI朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)で勝ち負けを演じている馬が、マイルCSでは意外と好走しているからだ。

 たとえば、2011年の覇者エイシンアポロン(5番人気。朝日杯FS=2着)に、同2着のフィフスペトル(11番人気。朝日杯FS=2着)、さらには2012年の2着馬グランプリボス(1番人気。朝日杯FS=1着)に、2017年の2着馬エアスピネル(2番人気。朝日杯FS=2着)、2018年の勝ち馬ステルヴィオ(朝日杯FS=2着)もそうだ。

 クリノガウディーも、昨年の朝日杯FSで2着と奮闘。この事実は、見逃せない。

 加えて、同馬は今春こそ不振にあえいでいたが、夏には古馬相手にGIII中京記念(7月21日/中京・芝1600m)で2着。秋になっても、GIII京成杯オータムハンデ(9月8日/中山・芝1600m)では7着に敗れたが、前走のGIII富士S(10月19日/東京・芝1600m)では勝ち馬にコンマ3秒差の4着と健闘している。着実に力をつけていて、GIの舞台で激走があっても不思議ではない。

 最後にピックアップしたいのは、前年の好走馬だ。

 2013年に1番人気で3着となったダノンシャークは、その翌年、8番人気の伏兵扱いながら、その低評価に反発して栄冠を手にしている。

 そのダノンシャークが勝った2014年の2着馬フィエロ(3番人気)も、その翌年のレースで再び2着(2番人気)に入っている。

 また、2015年に1番人気で3着となったイスラボニータは、2016年も2番人気で2着。2017年に4番人気で勝利したペルシアンナイトは、2018年も3番人気で2着と善戦している。

 このようにリピーターの台頭が目立つことから、昨年のレースで馬券圏内(3着以内)に入った馬は軽視できない。

 今年は、昨年2着のペルシアンナイトと、同3着のアルアインが出走。3年連続の好走例がないことを鑑みると、アルアイン(牡5歳)が狙い目となる。

 昨年のレースにおいて4番人気で3着に入った同馬は、今春、GI大阪杯(3月31日/阪神・芝2000m)を勝って、2度目のGI制覇。続くGI宝塚記念(6月23日/阪神・芝2200m)でも4着と健闘している。

 前走のGI天皇賞・秋は14着と惨敗を喫したが、これは、不利な大外16番枠だったことが響いたのかもしれない。好枠を引けば、巻き返しがあっても不思議ではない。 激戦必至のマイルGIは、3年連続で3歳馬が勝つのか、それとも古馬が復権を果たすのか。いずれにしても、荒れる可能性は大いにある。その一端を担う馬が、ここに挙げた3頭の中にいてもおかしくない。