11月17日に広島でコロンビア戦に臨むU-22日本代表。写真は10月のブラジル遠征時のモノ。写真:林遼平

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 3日後のU-22コロンビア戦に向けたテストというより、コンディション調整――。10月14日に行なわれたサンフレッチェ広島との練習試合は、U-22日本代表にとってそんな位置づけのゲームだった。

 11日の月曜日から広島合宿がスタートしたが、初日に姿を現わしたのはJリーグでプレーする13人と、8日の金曜日にリーグ戦を終えていたフローニンヘンの板倉滉だけ。翌日になっても食野亮太郎と橋岡大樹が加わっただけ。ようやく全員が揃ったのは広島戦の前日だったが、この日に合流した選手は誰もフルメニューをこなしていない。

 こうした状況で迎えた広島との練習試合。フォーメーションは恒例の3−4−2−1だったが、これまで3バックの右に入ることの多かった原輝綺がボランチに入り、左アウトサイドが本職の鈴木冬一がシャドーに入るなど、選手の立ち位置は新鮮だった。

「慣れないポジションはメンバー構成上のことか、ポリバレントを考えての起用か」との質問に対して横内昭展監督代行は、「両方ですね」と答えたが、その前には「コンディションのバラツキがかなりあった」「コンディションが悪かった」と強調していた。

 実際、もともと45分ハーフだったが、直前に横内監督代行のリクエストによって35分ハーフに変更され、久保建英や三好康児、前田大然ら欧州組の出場も20分前後に制限。堂安律に至っては起用を見送ったことからも、メンバー構成上の問題のウエイトが大きいのは、明らかだろう。

 もっとも、この“コンディション調整マッチ”で見えたものも、いくつかあった。

 3バックの左として先発出場した瀬古歩夢は効果的なパスを前線に何度も供給し、後半から3バックの中央に入った板倉はビルドアップに落ち着きをもたらした。また、後半からボランチに入った田中駿汰は最終ラインからボールをスムーズに引き出し、シンプルに前線に供給した。

「常に縦パスを狙う。そこからのフリックや3人目のサポートはこのチームの立ち上げの頃から言われている。なんとか形にできたのはよかった」

 そう語ったのはボランチと3バックの右を務めた原輝綺である。実際、前日の練習では攻撃のスイッチとなる縦パスを打ち込むトレーニングを入念に行なってもいた。「縦パスを入れるのに躊躇したり、見ていなかったり、数多くは入れられなかった」と横内監督代行は振り返ったが、コンディションや連係の問題を差し引けば、まずまず成果が見えたと言っていい。

 さらに、久保である。後半19分から出場すると力強いドリブルを披露。後半29分には田中の縦パスを受けて瞬時にターンし、上田へとスルーパスを通している。

「できることは見せられたのかなと思うけど、0−1で負けていたので、取り返せなかったのは良くなかったと思います」との久保の言葉を聞く限り、自身のプレーに関しては、まずまずの手応えを掴んだようだ。

 一方、気になったのは、小川航基、上田綺世、前田大然と3人のストライカーが決定的なチャンスをモノにできなかったことだ。小川はシュートをGKにぶつけ、上田と前田は枠を捉えられなかった。

 美味しいところはコロンビア戦に取っておいた――それくらいの気構えでいてくれたら、むしろ心強い。先月のブラジルに続いてコロンビアも撃破するには、FW陣の奮起が欠かせない。

取材・文●飯尾篤史(スポーツライター)