キルギス戦で先発が予想される伊東。果たして森保監督へのアピールは叶うだろうか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 2022年カタール・ワールドカップ2次予選、4連勝のかかるキルギス戦(ビシュケク)が14日に迫った。今回は堂安律(PSV)と久保建英(マジョルカ)という若きアタッカー2人がU-22日本代表の活動に専念。右サイドアタッカーの陣容がやや手薄になっている。そこで、一気に期待が高まるのが、伊東純也(ヘンク)だ。

 今回のメンバーには、1年半前の2018年ロシア・ワールドカップでこの位置を担った原口元気(ハノーファー)、所属先で右サイドもこなす南野拓実(ザルツブルク)もいるが、今季の欧州チャンピオンズ・リーグ(CL)で高度な経験を積み重ねる本職右サイドの優位性はやはり高い。スタメン出場が確実視される今回は、異彩を放った10月のモンゴル戦(埼玉)を超えるインパクトを残す必要がある。それが、代表レギュラー獲得への一番の近道だからだ。

「ホームでやった時はずっと自分たちのペースでできましたけど、今回は完全アウェー。グランドもありますし、相手も勢いに乗ってできるので、タジキスタン戦みたいに難しくなると思いますけど、前半で1点取れれば有利になる。ゼロで行きながら先制点を取ることが大事ですね」と伊東は理想のゲームプランを描きつつ、ピッチに立つつもりだ。

 10月シリーズ以降は所属のヘンクで7試合に出場。欧州王者・リバプールとの2度の対戦を含め、その活躍度は堂安や久保をはるかに上回るものがあった。あまりの超過密日程に「ここまで試合が多い状況は今までなかった」と吐露したこともあった。それでも、ひとたびピッチに立てば、攻守両面の献身性とハードワークを取り戻す。そして矢のように右サイドを突き進み、次々と精度の高いクロスを上げる。その切れ味鋭いパフォーマンスは現地ベルギーでも高く評価されていて、代表レギュラーを勝ち取れるだけの資格は十分にあると見ていい。

「リバプールと戦って、サイドではスピードと突破の部分で通用したところもありました」と、伊東は欧州王者を相手に自身の確かな進化を感じ取ったという。多様性を増したクロスも「いろいろ工夫はしてます。ウチは前に2枚ヘディングが強いFWを置いて、サイドにスペースがあったら早めにクロスを入れていく戦術なので、なるべくそれに合わせてやってます」と試行錯誤を繰り返しながら、自分の形を体得しつつあるようだ。実際、ベルギー1部ではアシストランクトップ争いを繰り広げるほどチャンスメーク力を研ぎ澄ませている。モンゴル戦でもその勢いを持ち込み、3アシストを記録。そちらの活躍度は文句なしと言ってもいいかもしれない。
 
 しかしながら、肝心のゴールの方は物足りなさが残る。ヘンクでは今季いまだ無得点。「10試合点を取れなかったことは今までのキャリアではなかった。ちょっと焦りはあります」と本人も悔しい胸の内を明かす。リーグ戦では相手の背後に抜け出してGKと1対1になるような場面もないわけではないが、フィニッシュの部分で冷静さを欠くケースが目につく。伊東は今、大きな課題に直面していると言っていい。

 日本代表でも、森保ジャパン発足当初の2018年9月のコスタリカ戦(大阪)とパナマ戦(新潟)で連発したところまではよかったが、そこから1年以上、ゴールから遠ざかっている。堂安に比べて出番が少ない分、チャンスも多くないのだが、それでも結果を残さなければ定位置は奪えない。キルギス戦で伊東に課される命題は極めてシンプルなのだ。

「リバプールのサラーとかを見ていると、個人の力でポンポンと点を決めてくる。そこはホントにすごい。自分もゴールに向かう意識を増やさないといけないと感じます。ヘンクではエゴイストが多くて、自分がお膳立てしないと回らないところがあるから仕方ないですけど、代表ではもうちょい自分で行ってもいいかな。ホントにそろそろ1点欲しいなと思います」

 そう熱望する彼にとって、キルギス戦ではゴールに突き進む凄みをより発揮し、目に見える結果を残したいところ。CLで磨きをかけた推進力とスピード、突破力を押し出せば、目の前の壁を破れるはず。この試合を機に、もう一段階飛躍し、代表の主力に上り詰める伊東純也を楽しみに待ちたい。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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