(写真提供:朝日新聞出版)

日本初の民間ロケットの打ち上げに成功、和牛ビジネスのプロデュースなども手がける堀江貴文氏。さまざまなイベントや、ゴルフやトライアスロンなどの趣味に国内外を自家用ジェット機で飛び回る堀江氏は、スキマ時間に触るスマホで仕事の指示を送っている。

「いかに時間を使わずに多くのものを生み出し、効率よく世の中に伝えるか」を徹底する堀江氏の「時間術」とは?堀江氏が何よりも大切にする「時間」だけをテーマにした初の著書『時間革命』から一部を抜粋・再構成して紹介します。

「もう少しお金に余裕があれば、自分がやりたいことに没頭できるんですが……」などと言っている人がいる。

お金がないから仕事時間を増やすしかない。働いている時間が長くなるから、どうしても自分のための時間が取れない、というわけだ。

ここからもわかるとおり、多くのビジネスパーソンにとって労働とは、「時間をお金に換える行為」になっている。だから、「お金さえあれば、労働(=時間の切り売り)をしなくてよくなるはずだ」という発想になるのである。

働く=何かをじっと我慢すること?

「働き方改革」が論じられる際に、すぐに「残業時間をどう減らすか」といったことがテーマになる背景にも、労働=就業時間という労働観があるのだろう。

しかし、働くとは「何かをじっと我慢すること」ではない。本当は家でダラダラしていたいのに、頑張ってオフィスにきて、一定の時間をおとなしく過ごした“ご褒美”としてお金がもらえているとでも思っているのだろうか。

なぜこうなるかといえば、お金の本質がわかっていないからだ。お金というのは単なるツールにすぎない。それなのに、お金そのものに価値があるかのように思い込んでいるから、貴重な時間をお金に換えてしまう。

2万円を「2万個のパチンコ玉」に換金するのはもったいないとわかる人でも、日給2万円のアルバイトには魅力を感じてしまう。

本当にあなたの1日には、現金2万円分の価値しかないのだろうか? 「そうです」と答えてしまう人は、価値観がかなり歪んでいると思ったほうがいい。お金の価値を高く見積もりすぎだ。

世界的に見ても、日本人はお金に目がない。

家計資産に占める「現金・預金」の比率で見ると、アメリカは13.1%、ユーロ圏で33.0%なのに対し、日本は先進国の中でも断トツの1位(52.5%)だ (日本銀行「資金循環の日米欧比較」2018年より)。

また、日本でいつまでも電子マネーが普及しないのには本当にウンザリさせられるが、邪魔をしているのは、技術的な問題以前に、こういう「拝金主義」だろう。

国家レベルで「お金」に縛られて、会社も内部留保を貯め込み、個人も貯金ばかり……。その裏では、そろいもそろって1億人が、二束三文で「時間」を売り払っている。

だから社会全体に時間がない、忙しい――これが日本の現実だ。

本当に、どれだけみんなお金が好きなのだろうとあきれてしまう。

いまだに僕のことを「カネの亡者」みたいに言う人がいるが、いったいどの口がほざいているのだと言いたい。僕はこれまで自分から貯金すらしたことがないというのに……。

大切なのは日々の「信用」


お金は価値交換のための単なるツールだ。なぜこんなツールが必要かと言えば、取引には「信用」が必要だからである。

交換の相手が信用に足る人物かを、いちいちコミュニケーションを取って確かめていては効率がよくない。その仲立ちをしてくれるのがお金だ。お金とは、「信用」というあやふやな存在を、わかりやすく可視化するための道具にすぎない

大切なのは信用だ。会社で1カ月、しゃくし定規に仕事して得られる信用など、たかが知れているから、それによって得られる月給も大した金額にはならない。

締め切りや待ち合わせの時間に遅れないという信用、誠実な振る舞い、他人の時間をムダにしないという信用、周囲を待たせることなく即断即決し、素早く結果を出してくれるという信用……。

貯めるべきはお金ではない。あなたがきちんと信用を積み重ねていけば、わざわざ時間を切り売りしなくても、お金は勝手に集まってくる