週末に行われたドイツ頂上決戦、バイエルン・ミュンヘンvsボルシア・ドルトムント戦では、ジェイドン・サンチョの姿は前半のうちに消えてしまった。確かにCLインテル戦において負傷を抱えていたことは伝えられていたものの、交代の理由についてルシアン・ファヴレ監督は、「単純に良くなかった」と説明。

 本来ならばバイエルンの左サイドの若手デイヴィースにプレッシャーをかけ、ミスを誘発させることを期待されていたサンチョだったのだが、むしろそこで目にされたのは逆の姿であり、守備面ではデイヴィースやミュラーに侵入を許し、キミヒとの対人戦では無気力さが見て取れるなど、まるで大物気取りのようなプレーを露呈。36分での交代は止む無しといったところだ。

 確かにまだ10代ながらトッププレイヤーの仲間入りを果たしたサンチョは、今季はここまで9得点に絡むなど数字の面では素晴らしいものを残してはいるものの、しかしながら第6節からの5試合ではわずか1アシスト、kicker採点平均も「5」と、パフォーマンスの浮き沈みの激しさを見せてしまっている。

 だがそれだけではない。内面性といった部分でも、つい最近イングランド代表より遅刻して戻ってきたことで処分を受けたばかりであり、そもそも加入当初から、規律面での問題から下部チームへと装置されているという過去も。チーム内ではその高慢な態度や、ルールを無視する姿勢に批判が出ているようだ。

 ミヒャエル・ツォルクSDは「彼は早く飛躍を遂げたが、まだ学ばなくてはいけないところもあるよ」と指摘。「良い若者なんだ」と強調してはいるものの、しかしながらこのような事を続けていくならば、まだキャリアが始まったばかりのサンチョだが大きな挫折の時を迎える事になるかもしれない。