芸人「かが屋」の加賀(左)と賀屋(C)マセキ芸能社

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【役者・芸人「貧乏物語」】

安藤なつさん 専属スタイリストは6年間節約生活をした友達

 今年、秋の「キングオブコント2019」(TBS系)決勝に現れた、20代のコンビ「かが屋」。短髪の加賀と長髪の賀屋と、似た名前だが、見た目はまるで異なる。しかし、出会った場所は同じバイト先。経歴も全く違って……。

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加賀(左) 岡山で、お笑い好きの友達から大阪のNSC(よしもとの養成所)に誘われて。僕としては、一緒に入ってコンビを組むつもりで住む部屋も決めたのに、直前で「やっぱりやめる」と友達に言われ、「は?」となりました。でも、NSCにはお金を振り込んでるし、一人で引っ越して、「俺、何やってんだろう?」と。結局は1年間で辞めてしまい、上京しました。

賀屋(右) 相方が東京でバイトすることになったコンビニに、僕は前からいたんです。大学行くために上京していて。両親ともに先生でしたから「僕も教師になるのかなぁ」と思っていたのですが、部屋では好きなお笑いのDVDばかり見ていました。そんな時期に、相方になる加賀くんがバイトに入ってきた。

加賀 僕が朝のシフトで、賀屋が夜。だから、お互い顔を合わせることがなかった。僕が店長に「お笑い志望です」と話したら、店長が夜のシフトの賀屋に「朝のバイトにお笑いやりたい人がいる」と話してくれた。すると賀屋が「僕もお笑いやりたい」と話して、それを店長が僕に伝えてくれた。賀屋が「バナナマンが好き」という話も伝えてくれて、本人とは会わずに店長を介して情報交換した時期が数カ月続きました(笑い)。

賀屋 相方と会うようになり、加賀くんの一人ネタを見たりしていたら、加賀くんが「一緒にやらないか」と誘ってきて。進路を決めなきゃいけないタイミングで出会ったのは「何かの縁かな」と思い、組む決意をしました。親に話したら、「好きなことをやりなさい。でも、教員免許は取りなさい」と言われ、中学の社会、高校の公民の教員免許を取ってから、お笑いを始めました。

■コンビニの売れ残りをもらって食べた

加賀 組むことになったら、店長がまたも気を利かせて、同じシフトにしてもらえた(笑い)。それから1年間は貧乏で、コンビニの売れ残りをもらって食べてましたね。コントの小道具で、赤ちゃんの人形とか、カツラとかお金がかかるのに、コントがスベって、そのネタを二度とやらなくなるから、部屋に小道具が増えるだけ。「一番安上がりな衣装にしよう」と決め、黒いTシャツと黒いジーンズになりました。お金がなくなりすぎたことで、新ネタができた感じ。

賀屋 大学の頃は仕送りをもらってましたし、母方の方の財産分与があったので、貧乏はしてなかった。

加賀 「キングオブコント2019」の決勝に出た後、芸人の仕事が増えましたが、仕事終わりに局や現場からタクシーで帰らせてもらえる時があるのが驚き。あまりの快適さに、自腹でもたまにタクシーで帰っちゃう時がある。だから今、お金がなくなってます(笑い)。

賀屋 ツイッターに「賀屋さん大好きです」「つきあってください」というDM(ダイレクトメッセージ)が来ました。「僕みたいな者にも本当に来るんだ! テレビに出るってすごい」と驚きました。最初はうれしかったけど怖い時もありますね。僕みたいなのにこの状態なら、世のアイドルは大変だなと。DMを使ってないと思いますけど。

加賀 来年は「キングオブコント」で優勝して、気兼ねなくタクシーに乗れるようになりたいです。

賀屋 単独ライブも成功させたい。趣味ではバレエを始めました。一般参加のコンクールにいつか出たい。僕みたいな見た目の人が踊れたら面白いし。でも、体はまだガチガチですが(笑い)。

(聞き手=松野大介)

▽賀屋壮也 1993年2月、広島県出身/加賀翔 1993年5月、岡山県出身
 2014年にお笑いコンビ「かが屋」を結成。今年「キングオブコント2019」決勝に進出して話題に。