ピルにはさまざまな種類がある(写真/アフロ)

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 かつてに比べると初経の年齢が下がり、出産回数も減少している現代。閉経までの生理の回数がその分増える傾向にあるという。そして、生理の回数が増えると、卵巣がん、乳がん、子宮体がんなどのリスクが高まるともいわれている。

 そんななか、見直されているのがピルの服用だ。ピルとは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンが入った薬のことで、超低用量のものから低用量、中用量とさまざまな種類がある。

 ピルによって排卵が止まり、卵巣を傷つけることがなくなり、がん化のリスクを下げることができるというのだ。

◆40才からのピルのすすめ

 40代後半、更年期を迎える前にピルを使って、快適に過ごす方法もある。東峯婦人クリニックの松峯美貴さんが解説する。

「低用量ピルは、卵巣から作り出される女性ホルモンより少なく、閉経する頃と同じくらいのホルモン量。更年期障害が始まる前からピルをのみ始めれば、ホルモン量が一定に保たれるので、更年期障害の諸症状が軽減するのです」

 赤羽駅前女性クリニック院長の深沢瞳子さんもこう話す。

「閉経前になると生理不順になる人も少なくないのですが、そうした症状もピルによって抑えることができます」

 ただし、閉経を迎えた後はピルを服用してはいけない。また、日本産科婦人科学会のガイドラインによれば、50才以上の人には使用不可である。

 それ以外にも、35才以上でたばこを1日15本以上吸う人、高度肥満の人、コントロール不能な高血圧・糖尿病などの患者は年齢に関係なくのんではいけない。もし服用を考える場合には、きちんと婦人科医に相談したい。

 閉経後はエストロゲンの働きがなくなるが、ホルモン補充療法でエストロゲンを必要最小限に補充することにより、年を重ねるにつれ出やすい症状を予防することもできる。

「エストロゲンは血管をやわらかく保ち、動脈硬化の進行を遅らせる。また骨密度の低下をゆるやかにし、骨粗しょう症の予防も期待できます」(深沢さん)

 つまり、生理と排卵に関する知識を追うことは、将来の寝たきりを予防することにもつながるのだ。

※女性セブン2019年11月21日号