子どもを交通事故から守るために生まれたトートバッグ「まもってトート」について、本田技研工業(Honda)に取材した。

おまわりさんモチーフのバッグが話題に

Hondaが制作した、子どもたちのための交通安全トートバッグ「肩にかけるおまわりさん『まもってトート』」がネット上で話題になっている。

暗闇で光るおまわりさんの制服を見るとドライバーがハッとして減速する心理に着目し、交通整理をするおまわりさんの制服をモチーフに、クルマのライトが当たると光る反射材をあしらったトートバッグだ。

提供:Honda

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このバッグについて、ネット上には「これは良いアイデア」「素晴らしい」「発想がすごい」「ちょっとした発想で子ども達を守れるんだな」「こういうアイデアはどんどん出して広げたらいいですね」「販売してほしい」など、多くのコメントが寄せられている。

来年小学生の子どもを持つ社員が発案

素敵なバッグはどのように誕生したのか?Honda広報部の担当者に話を聞いた。

--どのような経緯で生まれたバッグですか?

私に来春に小学校に入学する子どもがいます。

1人での登下校が始まる前に安全な道の歩き方を身に着けてくれるよう、出かけるときは交差点では必ず止まって、左右を確認して、クルマが来ていなければ渡る、ということを繰り返し教えていました。

そんな中、社内で話をしている最中に、歩行中の死傷者数は7歳が突出して多いというグラフを見て衝撃を受けました。

事故に気を付けなくては、と思っていましたが、ここまで7歳の事故が多いとは知らず、子どもの事故を減らすために何かできることはないだろうか、と考え始めました。

「魔の7歳」については意外と知られていないのではないか?

世の中の皆さんにお伝えすることで、7歳の事故の多さに気づいていただき、ご家庭での交通安全教育をもっともっとしていただけるようにしたい。ドライバーの皆さんには子どもを見かけたらもっと安全運転してもらえるようにしたい。

それによって子どもの交通事故が少しでも減らせれば、ということから今回の企画をスタートしました。

「魔の7歳」を知ってもらうきっかけに

魔の7歳について伝えたいが、ただ発信してもなかなか伝わらないと思い、皆に興味をもってもらうには何かきっかけが必要だとチームで考えたという。

子どもの交通事故の特徴として、1年のうち日が暮れるのが早くなる10月に事故が多発する傾向があり、反射材を身に着けることが有効です。

「最近運転していると、反射材をおまわりさんの制服の形に貼り付けた看板をよく見かけるよね、あれを見ると安全運転しなきゃと思う」、という話もあり、それらがきっかけで、おまわりさんをモチーフにした“まもってトート”が生まれました。

--開発にあたって、特にこだわった点は?

1年生から低学年の子どもが持つことを考えたサイズ。大きすぎず持ちやすいこと。

学校に持って行く荷物や習い事の道具が入ること。

肩にかけた時におまわりさんの制服に見えるよう、ある程度張りのある生地にすること、などにこだわりました。

まるで「お巡さん」のように子どもたちを見守ってくれる存在になってほしいという願いを込めたそうだ。

配布したところ大好評、商品化も検討

同バッグを1000個作成し、本社ビル1階のショールーム・ウェルカムプラザ青山やウェブ上での配布に加え、配布を了解してくれた港区内の保育園の5歳児に配布した。

すると、ウェルカムプラザ青山での配布(100個)は6時間で終了。ウェブ上での配布にも、予想をはるかに上回る申し込みがあったそうだ。

--同バッグへの反響を教えてください。

デザインについて「良いアイデアですね」というお声をたくさんいただいております。

また「毎日毎日交差点で止まって、クルマが来ていないか見るように注意し続けているけれど、さらにお守り代わりに持たせたい」という保護者の方の声も沢山いただいております。

--今後、配布もしくは販売予定はありますか?

販売してほしいというお声をたくさんいただいているため、商品化できないか、検討を行っています。

同社はホームページ上にて「まもってトート」の作り方を公開している。

市販のトートバッグとリフレクターテープ(白、赤)、裁縫セットがあれば、家庭でも簡単に作ることができるという。

提供:Honda

担当者「事故を少しでも減らせれば」

同社は他にも、交通事故から子どもを守るポイントを紹介する「Honda交通安全Kids」の公開や、保育園で交通安全教室「あやとりぃ ひよこ」を開催するなど、交通安全に向けた取り組みを行っている。

提供:Honda

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--交通事故防止のための活動に込める思いを教えてください。

“交通社会に参加する全ての人の安全を守り、事故に遭わない社会”を実現するために、“Safety for Everyone”をグローバルスローガンとして掲げ、ヒト・テクノロジー・コミュニケーションの3つの領域で取り組んでいます。

子どもの交通安全という観点では、1970年に設立された安全運転普及本部が、子どもから高齢者まで、様々な世代に向けた交通安全教育プログラムの開発と、指導者の育成を行っています。

幼児向けのプログラム「あやとりぃ ひよこ」は昨年度だけで全国で約4000回開催、約27万人以上のお子さんに受講していただきました。

こうした活動に加え、今回のまもってトートをきっかけに「魔の7歳」を知っていただき、ご家庭での一層の交通安全教育や、ドライバーの皆さんの安全運転につながり、子どもの巻き込まれる事故が少しでも減らせればと思います。