実は臆病? 「お調子者」の本当の心理

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あいつ、調子いいよな……。

・まわりと笑ってばかりいる
・意見をころころ変える
・場を盛りあげるのは得意
・なれなれしい

こういう人っていますよね。いわゆる「お調子者」です。そもそも彼らはどうしてあんな言動をするのでしょうか……どうやって対応すべきなのでしょう?

今回は「お調子者」の心理と付き合うコツを解説します。

■お調子者とはどういう意味?

まわりに合わせて対応を変える人、軽はずみな言動をする人という意味です。

場を面白くする人物というニュアンスもあります。しかし一方では「芯のない人間だ」というネガティブな印象も含まれます。

診断してみよう! お調子者の特徴7つ

さっそく「お調子者の特徴と心理」を深めましょう。

次の特徴にたくさん当てはまったら、あなたもお調子者かもしれません。

◇(1)相手に意見を合わせてしまう

自分の意見よりも空気が大事。

だからこそ相手がどんな意見を言っても「いいですね!」と合わせます。そして場所が変われば、また違う意見に賛成するわけです。

◇(2)守れない約束もしてしまう

お調子者にとって大事なのは「約束を守ること」でありません。

「場の空気がよいものになること」です。できれば自分が感謝される形で。そのために頼みごとをされると引き受けてしまうのですね。

自分から「やってあげようか……?」と提案することすらあります。

しかし、そこで感謝されると目的終了。あとは約束も忘れるというわけです。

◇(3)場のために嘘をつくときがある

場の空気をよくするために、ちょっとした嘘をつくことがあります。

それがバレてあとで誰かを怒らせることがあるかもしれません。傷つけることがあるかもしれません。しかし場の空気が最優先なのです。

◇(4)他人の秘密も喋ってしまう

会話を盛りあげるために、まわりの秘密をバラすこともあります。

職場か、周囲の人間か──秘密を話すときの注目を集める感じと、まわりの期待が嬉しいからです。あとから問題になることはあるかもしれません。

◇(5)自分の言ったことを覚えてない

喋るときは、その場のノリと勢い重視。

とにかく盛りあげるために思いつきで喋ります。あまり内容を吟味していないともいえます。だからこそ後で「何喋ったっけ……?」になるのです。

◇(6)その場で予定になかったものをプレゼントしたりする

物を渡すことで感謝されるのも好きです。

例えば身につけているものを褒められると嬉しくなります。そこで「そう? じゃあ、あげるよ」とプレゼントしてしまうのです。

相手が遠慮しても無理矢理渡します。そのときの感覚が心地よいから。しかし、あとでそれを後悔することもあります。

◇(7)「お調子者だな」「調子がいいな」と言われる

最終的には、これも信用できる基準になります。

職場やサークルや飲み会で「調子いいな」と言われたことがあるかどうか。他人のほうが自分をわかっていることもありますよね。特にコミュニケーションの場において、周囲の目は冷静です。

逆にいえば、お調子者だと言われない人間は、いつまでも言われないわけですね。

■お調子者の心理とは

続いては、前項のような特徴を持つお調子者、一体なぜそんなことをしてしまったり、言ってしまったりするのか。その心理に迫ります。

◇(1)人を喜ばせるのが好き

根本的に人が喜んでいるのが好きです。

いわばサービス精神旺盛。それが先走って、お調子者だなと言われてしまうわけです。

◇(2)場に緊張している

緊張しいでもあります。

他人を前に「舞い上がって変なテンションになっている」というとわかりやすいかもしれません。その人なりの緊張の表れ方なのです。

◇(3)喋ると安心する

喋るという行為自体が安心するのです。

まわりに対して存在をアピールできるから。心が安定するのです。いつまでも喋っていたいから(できれば楽しんでほしいから)調子のいいことを言ってしまうわけです。

◇(4)臆病

人間関係に対して臆病でもあります。

そして傷つきやすいからこそ、まわりに嫌われないように振る舞うのです。過剰に見えてしまうのはそのためです。

◇(5)実は心を開いてない

本当の自分を見せるのが苦手。

実は自分を知られることを恐れています。だからこそ演技して、それなりに振る舞おうとするのです。友人は多いけれど、心を開ける親友は少ないかもしれません。

■お調子者な人の仕事における短所と長所

お調子者な性格にもメリットとデメリットがあるはずです。

特に仕事ではどのように表れるのでしょう?

◇嫌われる!? お調子者の短所4つ

☆(1)約束を守らず信頼を失う

仕事とは、約束を守ること。

調子のいいことを言って気持ちよくなるだけではいけません。言葉だけでなく、行動も伴ってはじめて信頼を得られるのですね。

☆(2)待ち合わせ時間に来ない

時間にルーズだったりもします。

お調子者の「あと10分」ほど参考にならないものはありません。仕事は時間厳守ですから、大きなミスにつながることもあります。

☆(3)仕事を安請け合いしがち

相手に合わせて「安請け合い」する癖が仕事にも表れると大変です。

仕事は遊びではありません。こちらの利益や計画もあります。相手の機嫌をとるだけでは損をします。お調子者はNOを言うのが苦手なのですね。

☆(4)失言をする

その場の勢いで失言することもあります。職場の秘密や、軽はずみな嘘など──仕事の場では命取りです。

口をすべらせることのないようにしたいものです。

◇実は大事な存在! お調子者の長所4つ

☆(1)ムードメーカー

『釣りバカ日誌』の浜ちゃんのイメージです。

お調子者は職場の空気を明るくしてくれます。どんよりしたときに、笑わせてくれる人がいるだけで救われもします。

☆(2)頼みごとが上手

うまく仕事をパスすることができます。

頼まれると逃げられないお調子者ですが、相手に頼むのも上手だったりします。嫌味なくお願いをできるのも大事なスキルになります。

☆(3)すぐに他人とも打ち解けられる

他人とすぐ仲良くなれるのも才能です。

つまるところ仕事は、他人とのコミュニケーションです。日々に業務から、交渉の場でも役立つことでしょう。

☆(4)相手の求めているものがわかる

お調子者はまわりの空気を察する力に長けています。

それが仕事では「相手が何を求めているかを探る能力」として役立ちます。仕事相手や、顧客など、他人の欲求を把握することは重要です。

■お調子者な人とうまく付き合うコツ

とはいえ癖が強いのもお調子者なわけです。

ここでは困らされないために、うまく付き合うコツを解説します。

◇(1)おだてて利用する

ムードメーカーとしては優秀です。

仕事を渡す相手や、空気を変えたいときの要員として使いましょう。相手の特徴を理解した上で、貴女がそれを利用してもいいわけです。

コツはおだてること。お調子者は褒められると、調子よく手伝ってくれます。もちろん、ある程度の監視は忘れずに。

◇ (2)話半分で聞いておく

お調子者の話は半分くらい誇張されたものと受けとっておきましょう。

真に受けると貴女の身がもちません。心を動かされないようにしましょう。

◇ (3)めんどくさくなったらスルー

逃げられないのが職場の辛いところではあります。

かといって真面目に向き合う必要はありません。他人を変えることはできませんから、こちらが対応を変えるしかありません。どんな人間関係にもいえることかもしれませんね。

◇ (4)暖かく見守る

お調子者は「緊張している子ども」のようなものです。

いわば不器用なのです。そう考えるとやさしく見守れるかもしれません。

だれもが完全な人間ではありません。相手の弱さを知ることで応援してあげられることもあるはずです。

お調子者は愛すべきキャラクター

いかがでしょう。

お調子者だって、一生懸命、場をなごませようと頑張っているわけですね。問題はその方法が、ちょっと空回りしているだけ。そう考えるとかわいらしく感じられるかもしれません。

なんとか暖かい目で見守ってやっていただければと思います。

貴女の人生がよりよいものになることを祈っています。

(浅田悠介@令和の魔法使い)

※画像はイメージです