【北京=釘丸晶】香港メディアによると香港警察は8日夜から9日朝までに民主派の立法会(議会)の3議員を逮捕・起訴し、4議員に出頭命令を出しました。先月23日に正式撤回された逃亡犯条例改定案をめぐり、5月の立法会審議を妨害したことによるもの。今月24日に区議選(地方選)が予定されていますが、逮捕者には区議選に立候補する議員も含まれ、民主派は、混乱を口実に選挙を実施しない政府側のたくらみではないかと反発を強めています。

 逮捕されたのは朱凱廸(しゅ・がいてき)、陳志全、区諾軒の3氏でいずれも「立法会(権力及び特権)条例」に違反した疑い。

 区議選が迫るなか、民主派、親中派双方の候補者が襲撃されるなど、混乱が続き、親中派からは「安全上の理由」から選挙の延期を求める声が上がっています。

 民主派議員らは9日、記者会見し、今回の民主派議員の大量逮捕を「政治弾圧だ」と批判。区議選の予定通りの実施を求めました。

 陳淑荘議員は「政府は保守派に協力し、今の情勢の下、火に油を注ぐことで区議選を行わせないように企んでいるのではないか」と指摘。「今回の区議選を政府の悪行に対抗する『住民投票』としよう」と呼びかけました。

 出頭命令を受けている郭家麒(かく・かき)議員は「政府は政治告訴を利用して民主派議員を弾圧している。区議選間際になって半年前の行為について告訴した」と批判しました。

 8日は政府への抗議行動中に負傷し、同日朝亡くなった香港科技大の学生周梓楽(しゅう・しらく)さんの追悼集会が同大など各地で開かれました。負傷した周さんが発見された新界地区の駐車場にも多くの人が集まり、花などを供えました。周さんが亡くなって12時間となった午後8時9分には各地で1分間の黙とうが行われました。集会は深夜まで続き、デモ隊と警察が衝突。警察は実弾による威嚇射撃も行いました。