共働き世帯などの小学生が過ごす学童保育(放課後児童クラブ)を利用する子どもは全国で約127万人います(全国学童保育連絡協議会=全国連協の調査)。この5年で33万人以上増加しました。1〜3年生の5割を超える子どもが利用している自治体もあります。学童保育は社会的になくてはならない施設として、その役割はますます大きなものとなっています。

安全な生活の保障が急務

 ところが学童保育の現状は、施設、指導員の処遇、保護者負担などで大きな地域格差があり、それが放置されているのが実態です。10月に京都市で開かれた全国学童保育研究集会(全国連協の主催)では、解決が求められる課題がいっそう浮き彫りになりました。

 何より施設が足りません。待機児童数は1万8千人にのぼります。以前は、施設の規模や定員について国の基準のない状況にありました。その後、省令基準で「おおむね40人以下」と決められ、分割を進めた自治体もあります。一方、2割以上の施設が71人以上で運営されている県もあります。暑さ寒さも防げない古いプレハブなど、子どもが長時間過ごすには劣悪な環境の施設も各地にあります。指導員や父母から安全な生活保障への改善の声が出されています。

 政府は「新・放課後子ども総合プラン」で2023年度末に30万人分の学童保育を整備するとしています。その中心は学童保育専用施設の増設ではありません。学童保育と異なる、全児童対象の放課後事業と「一体型」で推進するというものです。放課後や夏・冬などの休みの間に子どもに「生活の場」を保障する学童保育を、他の目的の事業にまとめるのは無理があります。それぞれの役割に見合った形での拡充こそ必要です。

 指導員の役割にふさわしい待遇や身分保障がされていないことは大きな課題です。学童保育関係者の粘り強い取り組みで、国による処遇改善事業がつくられてきましたが、国負担は3分の1であり、活用している自治体はわずか2割です。指導員の大半が非正規という不安定雇用の上、半数以上の指導員は年収150万円未満、社会保険に未加入など劣悪な労働条件のままです。国が財政措置を拡充し、指導員の正規化など抜本的な処遇改善を図ることは急務です。

 学童保育には常時2人以上、うち最低1人以上は「放課後児童支援員」の資格を持つ指導員を配置することが「省令基準」で定められ、改善されてきました。ところが安倍晋三政権は、地方分権一括法によって、この基準を地方自治体の裁量にゆだねるとしました。自治体間で配置の格差が拡大すると懸念の声が広がっています。

社会的役割にふさわしく

 学童保育の社会的役割にふさわしい施設整備や職員の処遇改善が進まない最大の要因は、国が公的制度として裏づけとなる基準を明確にしないなど責任を放棄してきたことにあります。市町村事業では、各自治体の裁量で施設や運営に大きな違いが生まれます。地域や施設間の格差を解消するための国の施策が求められます。

 先進国では、放課後の子どもの居場所を公的に保障することが当たり前です。どの地域に住んでいても公的責任で豊かな学童保育が実現されるよう、ともに力を合わせましょう。