きわめて現実的な対応だと思う。サッカー日本代表のターンオーバーである。

 11月14日のキルギス戦は、主力を揃えたメンバーで挑む。5日後のテストマッチは、国内組主体の編成に切り替える。2試合連続でメンバーに選ばれたのは、海外クラブ所属選手、Jクラブ所属選手ともに7人だ。Jクラブ所属選手のなかには、初代表が4人含まれている。

 カタールW杯アジア2次予選が開幕してから、森保一監督の周辺には批判の種が燻ってきた。もっとも多かったのはメンバー選考だろう。「ミャンマー、モンゴル、タジキスタンといった格下相手に、ヨーロッパからわざわざ選手を呼び戻す必要はない」というものだ。

 個人的には、その時々でベストメンバーを揃えるべきだと考える。日本代表の活動は、時間的制約との戦いだ。「格下相手だから」という理由で2次予選を単なる勝点積み上げの機会としたら、チームのベースアップがストップしてしまう。2次予選を通してコンビネーションを磨き、主力不在時のプランB、プランCを用意しておかなければ、来年9月開幕の3次予選(最終予選)で苦戦を免れないだろう。

 その一方で、試合によってベストメンバーの基準を下げるとの考え方は、排除しきれないところがある。

 日本代表からリリースされて所属クラブへ戻った選手が、合流直後のリーグ戦で先発から外されるケースは珍しくない。長距離移動に伴う疲労や時差の影響でコンディションがベストに遠い選手には、ケガのリスクが付きまとう。やむを得ずスタメンから外す決断を下したものの、代わりに出た選手が結果を残したら、監督にとってはポジションの序列を再考するきっかけとなる。

 代表の活動はピッチの内外で進められていくもので、試合だけでなくトレーニングにも意味がある。とはいえ、わずか数分の出場のために所属クラブを離れ、それによってポジションを失ったり、取り返すチャンスを逃したりしたら、選手にも代表にも不利益でしかない。

 キルギス戦後に日本代表を離れる選手について、森保監督は「自チームに戻ってしっかりポジションをつかんでもらう、あるいはパフォーマンスを上げてチームで存在感を発揮してもらうため」と説明した。各選手が所属クラブでプレー時間を確保しつつ、日本代表の強化を進めていくために、今回のようなターンオーバーがこれから増えていくのはもはや必然的と言える。2試合ともにホームゲームならともかく、ホームとアウェイ(またはアウェイとホーム)での連戦なら、公式戦の位置づけや対戦相手との力関係を踏まえて、別々のチームを立てることは現実的な選択肢と言っていい。

 もう少し視野を広げて考えていくと、かねて指摘されているテストマッチの海外開催を、いよいよ本格的に検討していくべきかもしれない。韓国は11月にUAEでブラジルとテストマッチを行なうが、ヨーロッパにより近い中立地でのマッチメイクには、海外組の負担を軽減できるメリットがある。対戦相手の選択肢も広がる。

 国内でのテストマッチは日本代表の認知度アップや人気の維持向上に欠かせないものの、W杯予選突破後には強化の軸足を海外へ求めていくべきだろう。世界のベスト16より先の世界を見るには、これまでと違う強化方針を打ち出す必要がある。試合ごとにメンバーを入れ替えるターンオーバーは、その第一歩と言えるのではないか。