安倍晋三首相と韓国の文在寅大統領による4日の対話が実現した経緯が明らかになった。

 徴用工問題などで日韓関係が悪化する中、きっかけは文氏の呼び掛けで、韓国側は日本側の了解を得ないまま、対話の写真を撮影し公開した。日本政府関係者が8日、明らかにした。

 両氏は、タイで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席。開始前に控室へ入った首相が各国首脳と握手していたところ、最後に待ち構えていた文氏から「ちょっとそこで話をしましょう」と誘われ、近くのソファに腰掛けたという。

 首相同行筋は「文氏の順番が最後でなければ、首相はソファに座らなかった。先方の用意周到さを感じる」と振り返る。

 控室に入室できたのは首脳と通訳に限られたが、文氏には通訳以外に同席者がいて、「いきなりスマートフォンで写真を撮った」(日本外務省筋)という。複数の証言によれば、この人物は韓国大統領府(青瓦台)の鄭義溶国家安保室長とみられる。

 青瓦台は公式サイトに、ソファに腰掛け、会話する両首脳の写真を掲載したが、日本側に了承を求める打診はなかった。日本側関係者は「わが国では考えられない」と困惑を隠さない。

 文政権は米国から対日関係改善を促されており、関係修復への取り組みをアピールしたい韓国側の思惑がうかがえる。別の日本政府関係者は「韓国は相当焦っているようだ」と指摘した。