ブランデンブルク門前に揺れる短冊の波。壁崩壊から30年に合わせ、世界各国の約3万人がメッセージを寄せており、10日まで飾られている=2019年11月1日、ベルリン、野島淳撮影

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 冷戦の象徴だった「ベルリンの壁」が崩壊して、9日で30年になる。

 ドイツ国内はさまざまな催しで節目を祝うが、東西の格差はいまだ残り、旧東独側では右翼政党が台頭する。ドイツが主要国として引っ張ってきた欧州も、貿易や安全保障をめぐり米国、ロシアとの溝を深めている。

 ドイツのメルケル首相は7日、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長とベルリンで記者会見し、「壁崩壊」の意義を強調した。かつての共産圏の国々がいまや同盟国になり「30年前とは全く違うNATOになった。難しく見えることも成功し得ると示す歴史的成果だ」とメルケル氏は語った。ポンペオ米国務長官とも8日、ベルリンで会談し、これまでの経緯の価値を確認しあった。

 ベルリン市内ではさまざまなイベントが企画された。中心部のブランデンブルク門前には世界各地の約3万人から寄せられたメッセージが書かれた短冊がつるされた。広場などでは写真や映像の展示もあり、市民が当時に思いをはせた。

 一方、記念日当日を祝う外国首脳の顔ぶれは、20周年のときから様変わりする。10年前はオバマ米大統領がビデオメッセージを寄せ、クリントン米国務長官、メドベージェフ・ロシア大統領ほか、英仏の首脳らが顔をそろえた。だが、今回はポーランド、チェコなど東欧4カ国の大統領にとどまり、米英仏ロシアの首脳の姿はない。ドイツ政府は招かない理由を公に説明していない。