千葉市の幕張メッセで行われた「東京ゲームショウ2019」で、新作ゲーム「デス・ストランディング」を紹介するゲームクリエーターの小島秀夫氏(2019年9月12日撮影)。(c)CHARLY TRIBALLEAU / AFP

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【AFP=時事】政治のポピュリズム(大衆迎合主義)とソーシャルメディアでの相反する意見が社会的分断をもたらすこの世界において、ビデオゲームは調和のとれた社会への橋渡し役になれるのだろうか──。8日発売の最新作「デス・ストランディング(Death Stranding)」を手掛けたゲームクリエイター、小島秀夫(Hideo Kojima)氏はそう願っているようだ。

 ソニー(Sony)の「プレイステーション4(PlayStation 4)」用ソフトウェアとして発売されたデス・ストランディングは、コナミデジタルエンタテインメント(Konami Digital Entertainment)を離れた小島氏にとって、独立後最初の作品となった。コナミでは「メタルギア(Metal Gear)」シリーズなど大ヒット作を手掛けた。

 ゲームでは、引き裂かれた未来の世界が舞台となって進行し、「United Cities of America」と呼ばれる土地の分断された都市に物資を届けて通信網の再構築を目指す。この世界では当たると急速に成長したり年老いたりする雨が降り、登場する数多くの敵が人々や共同体の孤立を目的に主人公の行動を妨げる。

 主人公のサム・ポーター・ブリッジズ(Sam Porter Bridges)の声は、ゾンビをテーマに描いたテレビドラマシリーズ『ウォーキング・デッド(The Walking Dead)』のノーマン・リーダス(Norman Reedus)が演じ、また映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(No Time To Die)』のレア・セドゥ(Lea Seydoux)やマッツ・ミケルセン(Mads Mikkelsen)らも声優として出演している。

 英BBC放送のインタビューで小島氏は、デス・ストランディングの世界と現代社会の間にある類似点を明確に指摘している。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が設置する国境の壁とブレグジット(Brexit)で欧州連合(EU)を離れようとしている英国を例に挙げ、「世界にはたくさんの壁があるように感じる。みんな自分の事だけしか考えていないようだ」と語っているのだ。

 そして、「デス・ストランディングでは、つながりを表現するのに橋を登場させている。それを使うのか壊すのかの選択肢もある。人々につながりの意味について考えてもらうのが目的だ」と付け加えた。

 英ロンドンの市場調査会社「ユーロモニター・インターナショナル(Euromonitor International)」のビデオゲーム専門家マーク・アロンソ(Marc Alonso)氏は、同作品が今年の最も影響力のある人気ゲームの一つとなると予想する。

 アロンソ氏はAFPに「これはビデオゲームと映画撮影術の最先端分野を推し進めるもので、本質的にはインタラクティブな映画だ」と述べる。

 同氏は、「『リデンプション』と同様、こうした作りこまれた明快なストーリーラインと優れた描写はより多く見られるようになっている」としながら、「デス・ストランディングはそれを次のレベルに押し上げたもので、小島氏の多くのメタルギアファンが、そのヒットを促進することになるだろう」と続けた。「レッド・デッド・リデンプション2(Red Dead: Redemption II)」は今年に入って最も売れた作品だ。

 ただ、一部からは批判的な声も上がっている。ゲームのゆっくりとした進行と物語の非現実的な性質を指摘する意見だった。

【翻訳編集】AFPBB News

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