W杯戦士が次々と参戦 日本のトップリーグはラグビーオールスターズ

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 11月2日まで44日間にわたり熱戦が繰り広げられたラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会。

 初の8強入りを成し遂げた日本代表はもちろん、強豪国のプレーヤーたちにも多くの人が魅せられたはずだ。だがW杯閉幕後も、引き続き世界最高峰のプレーを日本で楽しむことができる。国内リーグのトップリーグに、海外チームのW杯代表たちが相次いで参戦するからだ。W杯では実現しなかったニュージーランド勢と豪州勢の対決に、日本代表選手との競演。4年に1度の祭典が終わっても、まだまだラグビーから目を離せそうもない。

NZ主将と?ジャッカル?姫野が競演?

 「日本でたくさんの特別な思い出ができた。また戻ってくるのを楽しみにしている」。史上初の3連覇を目指しながら、3位に終わったニュージーランド。その3位決定戦を最後に代表を引退したオールブラックスの主将は、新天地を日本に求めた。2013年には年間最優秀選手に輝いたナンバー8のキーラン・リードは、今季からトヨタ自動車でプレーする。

 トヨタ自動車のナンバー8には今大会、倒れた相手のボールを奪う「ジャッカル」を新語・流行語大賞の候補になるまで知らしめた姫野和樹がいる。リードとはポジションが重なるが2人ともフランカーでもプレーできるため、豪華な競演が実現する可能性もある。

 オールブラックスのFWでは、ロックとして同国歴代最多キャップを誇るサミュエル・ホワイトロックも今季、パナソニックに加入する。パナソニックにはW杯優勝チームの南アフリカ代表からもセンターのダミアン・デアレンデが加わり、豪州代表フランカーのデービッド・ポーコックも復帰。福岡堅樹や稲垣啓太、堀江翔太ら日本代表6人を擁するチームが、さらに強力なメンバーとなる。

 W杯決勝の最優秀選手に選ばれたナンバー8、ドゥエイン・フェルミューレンが在籍するクボタは、新たにスタンドオフに豪州代表バーナード・フォーリー、センターにはニュージーランド代表ライアン・クロティとBKを補強。昨季リーグ7位からの巻き返しを図る。

季節が逆だからこそ

 これに対し昨季のトップリーグ王者、神戸製鋼に新たに加わるW杯戦士は一人だけ。だが、その一人は堂々たるビッグネームだ。ホワイトロックとともにニュージーランド代表の空中戦を担った巨漢ロック、ブロディー・レタリック。リードの翌年、14年の年間最優秀選手だ。

 そもそも神戸製鋼では、かつて世界最高の司令塔と呼ばれ、年間最優秀選手に最多タイの3度選ばれた元ニュージーランド代表スタンドオフのダン・カーターが昨季からプレーしている。オールバックスのアシスタントコーチも務めたウェイン・スミス総監督のもとで復活を遂げた神戸製鋼。レタリックの加入はニュージーランド流のさらなる進化に結びつきそうだ。

 こうしたスター選手のトップリーグ移籍が相次いでいる背景には、日本がW杯開催国として世界のラグビー界から注目されるようになったことに加え、日本代表の強化によってリーグのレベルが向上したことが挙げられる。さらに季節が逆の南半球の選手たちにすれば、日本のラグビーシーズンは本国での代表活動の障害になりづらい側面もある。プレーする環境だけでなく、治安をはじめとした生活環境がよいのも魅力だという。

 カーターは代表を引退してからの来日だったが、NTTコミュニケーションズに加入する南アフリカ代表のマルコム・マークスは、まだ25歳。パワーに走力を兼ね備えた世界最高のフッカーの絶頂期のプレーを、日本で堪能できる。

下部リーグも見逃せない

 例年、秋から冬にかけてシーズンたけなわとなるトップリーグだが、今季はW杯が開かれていたため来年1月12日の開幕となる。それが待ちきれなくとも、11月15日に開幕を迎える下部リーグ、トップチャレンジリーグの充実ぶりも決してあなどれない。

 なかでも注目は古豪、近鉄だ。今大会2トライを挙げた豪州代表スクラムハーフのウィル・ゲニアとともに、元豪州代表スタンドオフのクウェイド・クーパーも獲得。11、15年W杯を彩った豪州代表ハーフ団が、日本で再結成されることになる。

 近鉄の看板選手といえば、W杯を最後に桜のジャージーを脱ぎ、今季限りで現役も退くトンプソン・ルーク。最高の助っ人を得て、最後のシーズンに念願のトップリーグ復帰を目指して獅子奮迅の活躍を見せてくれそうだ。