オープンソースで開発が進められるWindows 10のカスタマイズツール「PowerToys」
Windowsには、有料/無料を含めてさまざまなカスタマイズツールがある。
中でも「PowerToys」は、Windows 95/XP時代にパワーユーザー向けに開発されたマイクロソフト純正のカスタマイズツールとして知られている。
その後、開発は止まっていたようだが、Windows 10になって再びオープンソースでの開発が進められているのだ。
「PowerToys」はけっして万人向けのツールではない。
しかし、はまる人には"超便利"な機能が用意されているのだ。
今回は、この「PowerToys」を紹介しよう。
●Windowsのカスタマイズツール「PowerToys」とは?
Windowsでは、古くから標準機能ではできないことを可能にするさまざまなフリーのツールが開発されてきた。中でも「PowerToys」は、Windows 95/XPの時代に利用されていたマイクロソフト純正のフリーツールだ。
その「PowerToys」が、Windows 10向けにオープンソースで開発されている。
記事末のダウンロードページを表示し、「PowerToysSetup.msi」というファイルをダウンロードし、実行すればインストールできる。
原稿執筆時点のバージョンは0.13で、まだベータ版だ。
また、ユーザーインターフェイスも英語だけだが、なかなか面白い機能が用意されている。
PowerToysをインストールすると、タスクトレイにアイコンが常駐する。アイコンを右クリックしてメニューの[Settings]を選択すれば設定画面が表示される。
用意されている機能は「FancyZones」「PowerRename」「Shortcut Guide」の3つだ。
左側で各機能を選択すれば、その設定ができる。
PowerToysの設定画面
●ウィンドウの配置をカスタマイズできる「FancyZones」
「FancyZones」は、ウィンドウの並べ方をカスタマイズする機能だ。
PowerToysのインストール後は、[Shift]キーを押しながらウィンドウをドラッグすると、デスクトップに四角い枠(ゾーン)が表示されるようになる。
その枠の位置までドラッグすれば、枠ピッタリにウィンドウが配置される。
[Shift]キーを押しながらウィンドウをドラッグする。表示された四角い枠までウィンドウをドラッグする。
ドラッグ操作だけで、複数のウィンドウをこのようなレイアウトにできる。
「FancyZones」の設定画面で[Edit zones]をクリックすると、枠(ゾーン)をカスタマイズできる。表示された画面でウィンドウの並べ方や数を指定するだけだ。あらかじめ用意されているテンプレートだけでなく、独自のレイアウトを作成することもできる。
大型のディスプレイで、たくさんのウィンドウを開いて作業しているユーザーなら「ぜひ使いたい!」と膝をたたきたくなる機能だろう。
あらかじめ用意されているテンプレートからレイアウトを選択できる。
オリジナルのゾーンを作成して、登録することも可能。
●正規表現が使えてプレビューもできる「PowerRename」
「PowerRename」は、ファイル名の変更を支援・強化する機能だ。PowerToysをインストールすると、エクスプローラでファイルやフォルダを選択して右クリックしたとき、メニューに[PowerRename]が表示される。選択すると、ファイル名の変更ルールを設定する画面が表示される。
エクスプローラでファイルを選択して右クリックし、メニューの[PowerRename]を選択する。
ファイル名変更のルールを設定するダイアログボックスが表示される。
この画面では、[Search for]で検索文字を指定し、[Replace with]で置換後の文字を指定する。[Options]では正規表現や大文字小文字の区別などを指定できる。また、[Preview]では、設定した内容によって、ファイル名がどう変化するかを事前にプレビューすることもできる。
これも、たとえば開発者のように大量のファイルを一定のルールに従ってリネームすることが多いユーザーにとっては、ありがたい機能だろう。
●ショートカットキーの一覧を表示する「Shortcut Guide」
「Shortcut Guide」は、Windowsのショートカットキーを表示する機能だ。
[Win]キーを長押しすれば、ショートカットキーの一覧が表示される。一覧が表示された状態で対応するキーを押せば、機能が実行される。ちょっとしたヘルプ機能と考えればよいだろう。
設定画面では、[Win]キーを長押しする時間や背景の色、透明度などを設定できる。なお、筆者の環境では、なぜか[Win]キーを長押ししてもショートカットキーが表示されない現象が起きた。このあたりは、開発中なので、動作が安定していないのかもしれない。
[Win]キーを長押しすると表示されるWindows 10のショートカットキー一覧
Shortcut Guideの設定画面。[Win]キーを長押しする時間や背景の色、透明度などを設定できる。
●まだ開発中、今後も新しい機能が追加される
PowerToysは、まだ開発中のツールで、これからも新しい機能が追加されていく予定だ。なお、サポートはないので、利用するときは自己責任となる。
けっして万人向けのツールではないが、ハマればなくてはならないツールになる可能性が高い。まずはインストールしてみて、試してみてはいかがだろうか。
・ PowerToysのページ(GitHub)
・ PowerToysのダウンロードページ
井上健語(フリーランスライター)
中でも「PowerToys」は、Windows 95/XP時代にパワーユーザー向けに開発されたマイクロソフト純正のカスタマイズツールとして知られている。
その後、開発は止まっていたようだが、Windows 10になって再びオープンソースでの開発が進められているのだ。
「PowerToys」はけっして万人向けのツールではない。
しかし、はまる人には"超便利"な機能が用意されているのだ。
今回は、この「PowerToys」を紹介しよう。
●Windowsのカスタマイズツール「PowerToys」とは?
Windowsでは、古くから標準機能ではできないことを可能にするさまざまなフリーのツールが開発されてきた。中でも「PowerToys」は、Windows 95/XPの時代に利用されていたマイクロソフト純正のフリーツールだ。
その「PowerToys」が、Windows 10向けにオープンソースで開発されている。
記事末のダウンロードページを表示し、「PowerToysSetup.msi」というファイルをダウンロードし、実行すればインストールできる。
原稿執筆時点のバージョンは0.13で、まだベータ版だ。
また、ユーザーインターフェイスも英語だけだが、なかなか面白い機能が用意されている。
PowerToysをインストールすると、タスクトレイにアイコンが常駐する。アイコンを右クリックしてメニューの[Settings]を選択すれば設定画面が表示される。
用意されている機能は「FancyZones」「PowerRename」「Shortcut Guide」の3つだ。
左側で各機能を選択すれば、その設定ができる。
PowerToysの設定画面
●ウィンドウの配置をカスタマイズできる「FancyZones」
「FancyZones」は、ウィンドウの並べ方をカスタマイズする機能だ。
PowerToysのインストール後は、[Shift]キーを押しながらウィンドウをドラッグすると、デスクトップに四角い枠(ゾーン)が表示されるようになる。
その枠の位置までドラッグすれば、枠ピッタリにウィンドウが配置される。
[Shift]キーを押しながらウィンドウをドラッグする。表示された四角い枠までウィンドウをドラッグする。
ドラッグ操作だけで、複数のウィンドウをこのようなレイアウトにできる。
「FancyZones」の設定画面で[Edit zones]をクリックすると、枠(ゾーン)をカスタマイズできる。表示された画面でウィンドウの並べ方や数を指定するだけだ。あらかじめ用意されているテンプレートだけでなく、独自のレイアウトを作成することもできる。
大型のディスプレイで、たくさんのウィンドウを開いて作業しているユーザーなら「ぜひ使いたい!」と膝をたたきたくなる機能だろう。
あらかじめ用意されているテンプレートからレイアウトを選択できる。
オリジナルのゾーンを作成して、登録することも可能。
●正規表現が使えてプレビューもできる「PowerRename」
「PowerRename」は、ファイル名の変更を支援・強化する機能だ。PowerToysをインストールすると、エクスプローラでファイルやフォルダを選択して右クリックしたとき、メニューに[PowerRename]が表示される。選択すると、ファイル名の変更ルールを設定する画面が表示される。
エクスプローラでファイルを選択して右クリックし、メニューの[PowerRename]を選択する。
ファイル名変更のルールを設定するダイアログボックスが表示される。
この画面では、[Search for]で検索文字を指定し、[Replace with]で置換後の文字を指定する。[Options]では正規表現や大文字小文字の区別などを指定できる。また、[Preview]では、設定した内容によって、ファイル名がどう変化するかを事前にプレビューすることもできる。
これも、たとえば開発者のように大量のファイルを一定のルールに従ってリネームすることが多いユーザーにとっては、ありがたい機能だろう。
●ショートカットキーの一覧を表示する「Shortcut Guide」
「Shortcut Guide」は、Windowsのショートカットキーを表示する機能だ。
[Win]キーを長押しすれば、ショートカットキーの一覧が表示される。一覧が表示された状態で対応するキーを押せば、機能が実行される。ちょっとしたヘルプ機能と考えればよいだろう。
設定画面では、[Win]キーを長押しする時間や背景の色、透明度などを設定できる。なお、筆者の環境では、なぜか[Win]キーを長押ししてもショートカットキーが表示されない現象が起きた。このあたりは、開発中なので、動作が安定していないのかもしれない。
[Win]キーを長押しすると表示されるWindows 10のショートカットキー一覧
Shortcut Guideの設定画面。[Win]キーを長押しする時間や背景の色、透明度などを設定できる。
●まだ開発中、今後も新しい機能が追加される
PowerToysは、まだ開発中のツールで、これからも新しい機能が追加されていく予定だ。なお、サポートはないので、利用するときは自己責任となる。
けっして万人向けのツールではないが、ハマればなくてはならないツールになる可能性が高い。まずはインストールしてみて、試してみてはいかがだろうか。
・ PowerToysのページ(GitHub)
・ PowerToysのダウンロードページ
井上健語(フリーランスライター)