(CNN)考古学者のチームがロシアで発掘した人骨について、ナポレオンの部下だった将軍のものだとの見方が浮上している。フランスの歴史家らが分析の結果として発表し、ロシアのプーチン大統領も関心を示しているという。

木製のひつぎに入った状態で見つかったこの人骨は今年7月、フランスとロシアの考古学者のチームがモスクワから西へ約400キロに位置するスモレンスクでの発掘作業中に発見した。脚の骨が片方しかなく、年代は200年前のものとみられる。

チームはこの人骨がナポレオンのロシア遠征に加わった部下の1人、シャルルエチエンヌ・ギュダン将軍の遺骨である可能性があるとし、大腿(だいたい)骨と歯の一部をフランスへ持ち帰って調べることにした。発掘を指揮したピエール・マリコフスキ氏がCNNに語ったところによると、マルセイユの研究者がこれらのサンプルとギュダン将軍の母、兄弟、息子のDNAの比較分析を行った結果、100パーセント一致することが分かったという。

ギュダン将軍は1812年、失敗に終わったナポレオン軍のロシアへの侵攻に参加。戦闘で片脚を失った後、壊疽(えそ)により死亡した。マリコフスキ氏は、「ギュダン将軍が死んだとき、ナポレオンは涙を流したという。遺体はスモレンスクに埋葬し、後からフランスへ帰還させるつもりでいたが、それはかなわなかった。遠征で敗北を喫し、退却を余儀なくされたからだ」と説明した。

同氏によれば、パリにはギュダン将軍の名を冠した通りがあり、凱旋門にもその名が刻まれている。今回の発掘は仏大統領府の要請で行われた。DNA分析で本人と判明したことを受け、遺骨は今後フランス国内に運ばれ、軍事博物館や記念碑などからなるパリの歴史施設、廃兵院(オテル・デ・ザンヴァリッド)に埋葬されると、マリコフスキ氏はみている。

ロシア大統領府のペスコフ報道官はCNNに対し、「この話題については十分に関知している。両国の考古学者は素晴らしい仕事をした」と発掘を評価。「プーチン大統領も状況は把握しており、フランスにその意向があるなら、当然政府として(遺骨の返還に)協力する用意がある」と述べた。