いまや、至るところで目にするようになった「断捨離」という言葉。最初に提唱し、著書やテレビ・雑誌などのメディアを通じて広く一般化させたのが、やましたひでこさんです。

 

そんな正真正銘の“生みの親”が、日々思うこととは何なのか? 日常における、断捨離にまつわる気づきをしたためたエッセーの第11回は、いよいよ今年も残り少なくなったところで、1年間欲張ったモノと思いが奪うものについて考えます。

 

断捨離とは空間の新陳代謝でもあり、時間の新陳代謝である

この時期になると、毎年のことながら残りの日数を数えたくなるもの。

 

今年も余すところ二か月弱。そう思うと、自分にとっての今年の課題はまだまだ片づいていないことに気づく。それに、しよう、やろうと思っていたことも、まだまだ残っているし。

 

あら、まだまだなのか、いえ、もっともっとなのか。

 

そうか、いつも、もっともっとと思っているから、いつも、まだまだだと思う私がいるのかもしれない。

 

実は私、自分が思っている以上にとても欲張りで、もっともっと、あれもこれもと考えるタチのよう。だからきっと、逆に、無意識のうちに断捨離の必要性を強く感じているのですね。

 

 

とはいえ、なんだかんだと日は過ぎていくもの。時間とは、誰にも容赦なく過ぎていく。

 

これが、時間の一番の特徴。

 

けれどまた、こうも思うのです。時間がどんなに一定の時を刻んだとしても、その時間とどんなふうに関係を結ぶかは、人それぞれ、つまり、自分次第なのだと。

 

なんとなく時をやり過ごせば、時間はやるせないほど長く感じられ、夢中なことに関われば、時間はあっという間に過ぎていく。それは、過ぎると感じることさえないほどに。

 

ここまで過ごしてきた時間、私はどんな思いを詰め込んできたのだろう。そして、これからの二か月、私は、どんな思いを詰め込もうとしているのだろう。

 

モノと違って、思いはカタチがないから、空間と違って、時間は見えないから、分かりにくいですね。

 

 

けれど、空間にどんなモノを取り込んで、どんなモノを留め置くか、それは自分の欲求、思いの証拠。

 

そして、時間にどんなコトを取り込んで、どんなコトをするのかも、それは自分の欲求、思いの故と理解することができますね。

 

そう、過剰なモノへの思いが過剰なモノの堆積となり、それこそ容赦なく自分の空間を奪いとっていくように、余計なコトへの思いが余計なコトの累積となり、どこまでも自分の時間をかすめ盗っていく。

 

だとしたら、どちらも同じ過剰と余計な思いがその元にあるならば、モノの断捨離が空間の取り戻しとなり、同時に、時間の取り返しになることにも繋がっていくのですね。

 

 

断捨離とは空間のクリエイトでもあり、時間のクリエイト。

 

というより、こう表現した方が適当。

 

断捨離とは空間の新陳代謝でもあり、時間の新陳代謝。

 

なぜなら、用をなさなくなった過去からの過剰なモノたちを取り除き、自分の檻と成り果てた過去の余計な記憶を手放して、入れ替わりに、取り戻した空間と時間に「なにかしら」が流れ込んでくるのですから。

 

 

ところで、私のこれからの「もっと、もっと」は、いったい何なのか、自分でも定かでないことが訝しいばかり。

 

もっともっとと、まだまだと、そのせめぎ合いこそが私の課題であることは、間違いないようではあるけれど。

 

クラターコンサルタント / やましたひでこ

東京都出身、早稲田大学卒業。学生時代に出合ったヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を、日常の「片づけ」に落とし込んで応用提唱し、誰もが実践可能な「自己探訪メソッド」を構築した。断捨離を、人生を有機的に機能させる「行動哲学」と位置付け、空間を新陳代謝させながら新たな思考と行動を促すその提案は、年齢、性別、職業を問わず圧倒的な支持を得ている。また『新・片づけ術「断捨離」』(マガジンハウス)をはじめとするシリーズ書籍は、中国、台湾でもベストセラーを記録し、国内外累計400万部を超え、ヨーロッパ各国の言語でも翻訳されている。
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