「デコルテから上に奥行きを」

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レイヤードは秋冬の醍醐味。目新しいアレンジ術が首まわりに集中している今季、地厚なニットを重ねる、シャツやブラウスを仕込むなど、コレクションSNAPをヒントに「調和のとれるバランス」を解説します。

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WHITE CAN CHANGE EVERYTHING


「ワントーンを緩急づける白」



同じ色調が連なることで、もったりとした印象にもなりやすいワントーン。抜け感をつくるなら、白のインナーをさすのが効果的。なかでも、首つまりのニットならあたたかみがあって秋冬にもマッチし、濃色や暖色のグラデにもすんなりとけ込む。〈JIL SANDER〉リブニットとシューズで白をさすと、脱力感の漂うゆるい上下もシャープな仕上がりに。〈BOSS〉ぼやけがちなベージュトーンを制するのも白。首をすっぽりとおおうタートルネックが、やさしい配色にモード感を生み出す。

2


WITH FAVORITE COLOR


「くしゅくしゅがひかえめなさし色」



多くのブランドが提案した、カラータートルを用いるレイヤード。〈A.P.C.〉ノーブルな千鳥格子のセットアップから、ピンクのニットをちら見せ。華やかな色が加わることで、レトロな柄もモダンな表情に。〈ISABEL MARANT〉ボトルネックからタートルネックをのぞかせる、ニットONニットを披露。ベージュ&イエローと色のトーンが近いおかげで、派手すぎない見た目に。

3


CURRENT MOOD=CLASSIC


「首元のボリュームでさらにレトロ」



カーディガンやボリュームブラウスなど、クラシカルな趣のあるトップスも注目株。ボウタイブラウスやハイネックニットのように首に特徴のある服で顔まわりを盛ったら、いっそう昔っぽくエレガントな見た目に。〈CELINE〉カーデとブラウスの色みをそろえれば、ボウタイブラウスのハードルが下がる。チェックボトムを合わせて、淑女な雰囲気に。〈3.1 Phillip Lim〉ベルトつきブラウスからのぞく、きっちりと折り返したタートルがレトロ。

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BLACK TO BLACK, GRAY TO GRAY


「重厚なコートの中はあえて同色」



黒やグレーのコートにあえて同系色のトップスを仕込み、とことん重く仕上げるのも新鮮。〈beautiful people〉コートと同じくマットな質感のニットをIN。シルキーなパンツ&コロンとしたミニバッグと、素材感や立体感の差で黒一色のメリハリづけに成功。〈Stella McCartney〉ツイードコートからダークグレーのシャツをちら見せ。ツイード特有のニュアンスにより、ぼんやりしがちなグレー軸でものっぺり感ゼロ。

5


FEEL FREE TO FRILL


「シックな色から小さくフリル」



正統なアウターやトップスの首&手元から、フリルを見せるルックを多数キャッチ。甘いディテールも小さい面積ならガーリーすぎず、ほどよい遊び心を演出できる。さらに、メタリックピアスを飾って強さを足すのも、よりよいバランスに仕上げるコツ。〈Shiatzy Chen〉かたくなな黒が一気に華やぐ、繊細な白レースをレイヤード。〈Givenchy〉女度の高いツイードジャケットにシャーリングブラウスをIN。フェミニンなアイテムどうしも、赤×黒だとハンサム。〈Chloe〉刺しゅう入りの凝ったブラウスに、ネイビーのニットをON。ともするとほっこり見えるニットとレースの重ね着に、ハードなゴールドを添えて辛口に。

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KEEP WARM AND STYLISH


「ニットを巻きつけ”縦”を強調」



視線を上に誘導してスタイルUPをかなえてくれる、「巻くためのニット」も見のがせない。〈Tibi〉ニットの使いみちは「着る」だけにあらず。ネックラインやそで口のリブ編みのようにマフラーにはないディテールが、高感度なアクセントに。〈MARGARET HOWELL〉チョコレートカラーのシャツに、シナモン色のニットストールがかわいらしさをもたらす。

7


NO MORE ”SLIDE DOWN”


「オーバーシャツは抜かずにつめる」



えりを抜いて着ることの多かったシャツも、その使い方に変化が。くずさずちゃんと着て、ボタンを上までとめたりニットをのぞかせたり。肌感を極力おさえてメンズライクに傾けるのが気分。〈JIL SANDER〉大きめシャツにタートルを合わせた重厚なシルエットも、アイスグレーだと軽やか。〈ISABEL MARANT〉風合い豊かなシャツから柄をのぞかせて、肌をおおったまま強弱づけ。

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BE A GOOD GIRL


「白シャツ1枚でまじめになれる」



白シャツを効かせたスタイリングが印象的だった今シーズンのSportmax。クリーンな見た目のシャツに頼れば、装いを知的に引き上げることも簡単。[右]素肌をのぞかせればセンシュアルなVネックニットから、ハリのあるシャツをのぞかせて紳士っぽく転換。[中]シャツならではの凹凸感とクリアな発色が、ベージュ〜白のニュアンスカラーにほどよい緊張感をメイク。[左]品のいいグレーのコート×きちんと着た白シャツの組み合わせなら、ボーイッシュなキャップも大人っぽくとり入れられる。