手術を受け5本になった足の指(画像は『New York Post 2019年10月31日付「Man born with 9 toes on left foot gets surgery, hopes for first love」(AsiaWire / Shunde Heping Surgica)』のスクリーンショット)

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左足指が人よりも4本多い状態で21年間も暮らしてきた中国の男性が、足の再建手術を受けた。両親は「多指は幸運をもたらす」と信じて疑わず、男性は常にコンプレックスを抱えて生きてきたという。『New York Post』などが伝えている。

広東省陸豊市に住む21歳のアジュンさんは、左足指を9本持って生まれてきた。両親はアジュンさんが誕生してすぐ多指症であることに気づいていたが、占い師に「多指は幸運をもたらす天からの贈り物」と告げられ、アジュンさんの足の手術については考えたこともなかった。

しかしアジュンさんは、物心ついた頃から人と違う自分の左足を恥ずかしく思い、10歳になるとサンダルを履くのをやめてしまった。そして21歳になるまで、女の子をデートに誘うこともなかった。

信心深い両親は「足が気になるなら、靴で隠せばいい」とアジュンさんの気持ちを汲み取ることはなかったが、21歳になり自分の意志で行動することが可能になったアジュンさんは、同省仏山市にある順徳和平外科医院のウー・シャン医師(Wu Xiang)を訪ねた。

シャン医師はアジュンさんの足の状態について、次のように述べている。

「21歳で多指症の患者というのは非常に珍しいと言えます。通常は子供の精神的な負担を考慮して1歳から、遅くても就学前の6歳までに手術をします。この時期は術後の回復も良好ですから。」

「アジュンさんの手術は決して簡単なものではなく、9時間を要しました。ただ単に外側にある4本の指を切除してしまえば簡単なのですが、私たちは一番自然な形状の外側の指を残し、余分な指を切除して中心に寄せ、新たに親指を再建しました。」

シャン医師から自分の新しい足の写真を見せてもらったアジュンさんは、「いつも自分は完全ではないという劣等感に苛まれていましたが、これでやっと一人前になれた気がします。手術の結果には大変満足しています」と喜びを明かしている。

なお多指症は、胎児の手指や足指が分離する過程で何らかの問題が生じたために起こるとされており、日本形成外科学会によるとその発生頻度は、手では出生1000人に対して1〜2人、足では出生2000人に対して1〜2人だという。

ちなみに2016年には、中国の湖南省で手指15本、足指16本を持つ男児が誕生している。

画像は『New York Post 2019年10月31日付「Man born with 9 toes on left foot gets surgery, hopes for first love」(AsiaWire / Shunde Heping Surgica)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)