1年前、JFAインターナショナルドリームカップでセネガルと対戦したDF中野伸哉

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 U-17日本代表・森山佳郎監督は、U-17W杯のグループステージ第3節・セネガル戦に向けてこう語った。

「新しい選手を信じたい。新しい選手が出ることで生まれる雰囲気に期待したい」

 2試合で勝ち点4を確保したことで、次の試合で日本が大敗、あるいは3位のアメリカが大勝するといったことが起きなければ、日本のグループステージ2位以内は確定する。負けた場合でも3位抜けの可能性は残るというシチュエーションになったことで、「次の試合に勝つことが一番だけど、同時にラウンド16に100%の状態で挑めるようにしながらやっていく」(森山監督)ことが可能となった。

 さすがにリスクが大きすぎるために全員を入れ替えることはしないが、ある種の冒険ではある。ただ、「育成年代の日本代表」ということを強く意識する森山監督は「今はスタメンで出ている選手が上だと評価しているからこういう起用をしているけれど、ここから逆転することもある年代」という点も踏まえ、控え組の選手たちにチャンスを与える考えでいる。

 もちろん、「当然勝ちに行く」という大前提を崩す気はない。前日のトレーニングでもセネガルの攻撃パターンや要注意の個性について指摘して守備の対応を徹底。ビルドアップでも、圧倒的なスピードを誇る選手が迫ってくる「普段の感覚でやっていると絶対に奪われる」(同監督)セネガルの高速プレスに対してボールを動かしていくための戦術的な一工夫を仕込んでいた。

 もう一つの留意点は、セネガルが誇る超速のカウンターアタックである。

「一見リズムができていないように見えても、一度ボールをかっさらったらそれが得点になるみたいなことがある。自分たちが『うまくいっているな』という感じで隙を見せた瞬間に足の長さを生かしてかっさらわれて、カウンターであっという間にゴールを決められる。アメリカもオランダも完全にそれでやられて、退場者も出てしまった」(森山監督)

 セットプレーの練習でも、あらためてセネガルのカウンターに対しての意識付けを行った。CKをGKにそのまま捕られて素早いフィードを許し、「あー、今のはカウンターで失点したな」と指揮官が苦笑する場面もあったが、まずはカウンターそのものを発動させないような意識や工夫が重要になってきそうだ。

 大会前にはこのセネガル戦を見据えてナイジェリアとの練習試合も組んでおり、「みんながアフリカの相手を経験したことはプラスになる」(DF半田陸=山形ユース)。対戦時に選手たちが揃って口にする「足の長さ」と「足の速さ」から来る感覚的なギャップを体感できているのはポジティブな材料だろう。

 また1年前のJFAインターナショナルドリームカップに出場している半田、中野桂太(京都U-18)、角昂志郎(FC東京U-18)といった選手たちにはセネガルと実際にぶつかり合った経験があると同時に、その借りを返すという思いもある試合だ。当時はまさに完敗と言うほかない試合内容だったが、逆に言えば、当時からの個々人の成長を確認できる良い機会でもある。

 勝って1位で決勝トーナメントへ。「ワクワクしているし、やってやるという気持ちしかない」(DF村上陽介=大宮U18)。日本時間3日午前8時に始まるセネガル戦は、U-17日本代表の総合力と成長力を示す試合となる。

(取材・文 川端暁彦)