by maria mendiola

世界的なプラスチックごみの問題に取り組む環境団体Break Free From Plasticが、のべ51カ国で7万2541人のボランティが参加した清掃活動の結果判明した、プラスチックごみの汚染源となるメーカーの名前を発表しました。

BRANDED Vol.II Identifying the World’s Top Corporate Plastic Polluters

(PDFファイル)https://www.breakfreefromplastic.org/wp-content/uploads/2019/10/branded-2019-web-FINAL-v2-1.pdf

プラスチックごみ汚染源の栄えあるトップはコカ・コーラです。コカ・コーラのブランドマークが印字されたプラスチック製品のごみは、4つの大陸にまたがる37カ国で合計1万1732個回収されました。この数は、2〜4位を合計した数よりも多かったとのこと。



第2位がネスレで、31カ国で合計4846個のプラスチックごみが回収されています。



第3位がペプシコで、回収されたごみは28カ国で合計3362個です。



4位以降にはモンデリーズとユニリーバが続きました。トップ5のメーカーはいずれも飲料や食料の販売と製造を主力とするグローバル企業です。



地域ごとの傾向を見ると、コカ・コーラはヨーロッパとアフリカ大陸で1位を獲得。南アメリカ大陸とユーラシア大陸でも2位と、圧倒的な強さを見せつけました。また、北米ではスターバックスも3位にくい込む健闘を見せています。



ただし、上記の企業だけが責められるべきだというわけではありません。2019年9月21日のワールドクリーンアップデーに合わせて、世界中で行われた清掃活動で回収されたのべ47万6423個のプラスチックごみには、実に484種類ものブランドのロゴが付いていました。また、ブランドが判明したごみは全体の43%で、残りの57%は責任の所在さえ定かではありません。



ごみの内訳はこんな感じ。最多がビニール袋で、次いで小袋とペットボトルのごみが多く見つかりました。



もちろんグローバル企業たちも、何の対策も講じていないわけではありません。プラスチックごみ1位のコカ・コーラは、2030年までに新規生産される全てのペットボトルを、30%植物由来の原料が使用された「PlantBottle」に置き換える方針を打ち出しています。また、100%植物由来の原料でできた「PlantBottle 2.0」の製造にも着手。いずれはすべてのペットボトルを持続可能性の高い素材に置き換える考えだとのこと。



2位のネスレも2025年までにすべてのパッケージを再利用可能な素材にすることを目標に掲げており、その最初の取り組みとして折り鶴にもできる紙製パッケージのキットカットを日本で生産開始しました。



もっとも、コカ・コーラとネスレのプラスチックごみは2018年に比べて増加しているという現状も報告されており、取り組みの効果が現れるのは当面先になりそうです。



Break Free From Plasticはレポートの中で「名だたる企業たちは『100%リサイクル可能』をうたい文句に、環境への影響を低減することを確約します。しかし、リサイクルが可能なことと、実際にリサイクルされることは別です」と指摘し、企業頼みではなく消費者一人ひとりが使い捨て文化と決別することが求められていることを強調しました。