初入閣から2カ月足らずで辞任に追い込まれた河井克行法相は、先に更迭された菅原一秀前経済産業相と並ぶ菅義偉官房長官の側近だ。

 自民党内では、2人の入閣を後押ししたとされる菅氏への風当たりが強まりつつある。安倍晋三首相の後継レースにも影響を与えそうだ。

 「厳しい批判をきちんと受け止める必要がある。一層身を引き締めて行政の責任を果たしたい」。菅氏は31日の記者会見で、辞任した2人が自身と近いことについて問われたが、正面から答えなかった。

 菅、河井両氏は1996年衆院選の初当選同期で、いずれも無派閥だ。2012年党総裁選で、ともに首相を支援したことをきっかけに距離を縮め、河井氏は菅氏を「菅ちゃん」と呼んで慕ってきたという。最近は党若手・中堅議員の会「向日葵(ひまわり)会」を結成し、菅氏を支えてきた。

 7月の参院選で、ウグイス嬢の買収疑惑が持ち上がった河井氏の妻案里氏が初当選した背景にも、菅氏の存在がある。首相官邸は広島選挙区の2議席独占を狙い、党重鎮と競合する案里氏の擁立を主導。菅氏は選挙期間中、2度にわたって現地入りするなど、案里氏を全面支援した。

 河井氏をめぐっては、過去にパワハラ・セクハラ疑惑が週刊誌で報じられており、メロンやカニの贈答疑惑が取り沙汰された菅原氏と同様、入閣を不安視する声が党内では根強かった。それでも、2人が念願の初入閣を果たせたのは、菅氏の後押しが大きかったとみられている。

 自民党内からは「『菅銘柄』は全員駄目」「危なっかしいのを閣僚にした菅氏のミス」との批判が広がっている。「令和おじさん」として知名度を上げ、「ポスト安倍」の有力候補と目される菅氏だが、一連の辞任劇により求心力が揺らぐ可能性もある。