貴景勝は本当に間に合うのか?

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 本当に大丈夫なのか。大相撲九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)を控えた29日、大関に復帰した貴景勝(23=千賀ノ浦)が福岡・篠栗町の部屋で稽古を再開した。9月の秋場所は優勝決定戦で左胸を負傷。今場所の出場が危ぶまれる中、いきなり「出ますよ。優勝しないといけない」と出場と優勝をダブル宣言した。ただ、今も左胸の状態は万全ではなく、先行きは不透明なままだ。

 この日の貴景勝は四股などの基礎運動のほか、ぶつかり稽古で若い衆に胸を出して汗を流した。9月の秋場所は千秋楽の優勝決定戦で左大胸筋を部分断裂。加療6週間の大ケガを負った。今場所の出場の可否が関心を集めるが、貴景勝は「もう、出ますよ」と早くも出場を明言。「大関に戻ったから優勝を狙わないといけないし、優勝しないといけない」とV宣言まで飛び出した。

 ただ実際には、左胸の状態は万全ではなく、先行きは見通せない。秋巡業には中盤から途中合流したものの、現在に至るまで相撲を取る稽古は再開できていない。11月1、2日には二所ノ関一門の連合稽古も予定されているが、本人は「(参加は)分からない。胸の調子次第」と一転して慎重な姿勢を示した。本場所の出場に意欲を見せる一方で、無理をして故障を悪化させる事態は避けたい…。揺れ動く心境も見え隠れする。

 今場所の貴景勝が置かれている状況は、カド番で迎えた7月の名古屋場所とも重なって見える。右ヒザの負傷を抱える中で、師匠の千賀ノ浦親方(58=元小結隆三杉)に強行出場を直訴した。師匠は関取衆との稽古が再開できていないことを理由に休場を勧告。約5時間に及んだ説得の末、本人も最終的に休場を受け入れた。

 千賀ノ浦親方は貴景勝の状態について「(当初の予想より)治りが早くて、相当にいい。出るつもりでやっていく」と言いつつも、最終的な判断に関しては「いい稽古ができていれば出場する」と条件をつけた。今回も場所前の関取衆との稽古内容が、出場可否のカギを握ることになりそうだ。

 周辺を取り巻く環境面では“追い風”が吹いている。九州場所の宿舎は昨年は仮設だった稽古場が新築され、雨風の影響を受けることがなくなった。30日には新たに発足した後援会による激励会も開かれる。こうした周囲の期待に、和製大関は応えることができるのか。本番までの2週間の動向に注目が集まる。