WASHINGTON, DC - OCTOBER 25: A detail of the World Series logo prior to Game Three of the 2019 World Series between the Houston Astros and the Washington Nationals at Nationals Park on October 25, 2019 in Washington, DC. (Photo by Patrick Smith/Getty Images)

写真拡大

ナショナルズ指揮官からは皮肉「“ご存じのとおり”…」



 メジャーリーグ(MLB)は26日(日本時間27日)までにワールドシリーズ第4戦までが終了。同シリーズは現在2勝2敗のタイで、その激戦に目が離せない展開となっているが、米国ではイマイチ盛り上がりに欠けているようだ。
 
 アメリカン・リーグを2年ぶりに制したヒューストン・アストロズと、ナショナル・リーグ初優勝を果たしたワシントン・ナショナルズによるワールドシリーズは、両チームの強力先発投手陣をいかに攻略するかなどが注目されたマッチアップ。第4戦を終えた時点でともに2勝ずつと拮抗していて、どちらが世界一を掴み取るのか分からない激戦となっている。
 
 しかし、27日(日本時間同日)付の米紙『ボストン・グローブ』は、今年のワールドシリーズが驚くほど米国の注目を集めていないことを指摘している。同紙はまず、「テレビの評価は史上最低」だと単刀直入にバッサリ。ナショナルズのデーブ・マルティネス監督の「“ご存じの通り”、私たちはワールドシリーズに出場している」という皮肉とも取れる言葉を引用しながら、「言い換えれば、残念だということだ」という一言を添えている。
 
 また、メディア内でも薄い反応が如実で、同紙は「当該地域以外の新聞はワールドシリーズをほとんど取り上げず、『ダラス・モーニング』(アストロズが本拠地を置くテキサス州の地元紙)は、アストロズのワールドシリーズをカバーしていなかった」と驚きを示した。
 
 それに加えて、「ワールドシリーズの記者席は予想通りヒューストンとワシントンの人々でいっぱいだったが、シカゴ、デトロイト、クリーブランド、セントルイス、サンフランシスコの新聞社は来ていなかった。(ヒューストンとワシントンの2都市以外は)ニューヨーク、ロサンゼルス、ボストンだけ。他のみんなはNFLとNBAにこだわっている」とMLBの寂しい現状を嘆いている。

「長すぎる」試合時間。「ワールドシリーズ」の名称にも疑問符



 そして、野球というスポーツは基本的に試合時間が長い。攻守の入れ替えでイニング間に試合が途切れるものの、その時間も含めて試合時間は4時間前後(中には2時間台の試合もあるが)。実際、今ワールドシリーズの第1戦は3時間43分、第2戦は4時間1分、第3戦は4時間3分、そして第4戦は3時間48分だった。時間制限も、イニングの制限もないスポーツが野球だ。
 
 それに比べ、アメリカンフットボール(NFL)は4Q計60分、バスケットボール(NBA)は4Q計48分と時間制限があるだけに、1試合が約4時間もかかるスポーツの試合は人にとっては退屈に映る場合がある。同紙は、これについて「(野球は)時間がかかりすぎ。東部時間では深夜0時に終了する」としながら、「これは問題の一つ」だと述べている。
 
 また、メジャーリーグの世界一を決める戦いは「ワールドシリーズ」と名付けられいるが、その名称にも疑問符が挙がった。「メジャーリーグは『地域同士の戦い』のようなものになっているため、“2019年のワールドシリーズ”という響きは奇妙で不適切」と指摘している。
 
 そのワールドシリーズは残すところ最大であと3試合。きょうの第5戦はアストロズのゲリット・コール投手とナショナルズのマックス・シャーザー投手というメジャー屈指の剛腕によるシリーズ2度目の顔合わせが期待されたが、シャーザーが背中と首の痙攣によって直前で先発登板を回避した。
 
 それでも、両チームにとって制覇へ王手が懸る大事な試合で、ナショナルズがコールにどう立ち向かうかが見どころの1つであることは間違いない。しかし、同紙はこの一戦に対しても「クラブハウスのテレビには(NFLの)ニューイングランド・ペイトリオッツ対クリーブランド・ブラウンズの試合が映っていると確信している」と、MLB<NFLである現状を表現した。
 
 米国を代表するプロスポーツの中でも、野球、すなわち「ベースボール」がアメリカンフットボール、バスケットボールから一歩も二歩も引き離されていることは残念で寂しい限りだ。
 
 しかし、野球には野球の魅力があるはず。幸いにも今年のワールドシリーズは少なくとも第6戦まで続く激戦となっている。その一投一打に注目しながら、熱を帯びた空気を肌で感じ、魅了される人が1人でも多く生まれることを期待したい。