U-17W杯、日本代表が“恐れるべき”5名の怪物
10月26日に開幕したU-17ワールドカップ。今大会で18回大会となりU-17日本代表もアジア予選(AFC U-16選手権)を優勝したことで9回目の出場を果たしている。
日本代表における過去の最高成績は自国開催となった1993年大会と、2011年のメキシコ大会におけるベスト8であるため、悲願のベスト4入りは国民の夢と言えるだろう。
しかし、そんな日本代表が振り分けられたグループDは大会屈指の激戦区であり、セネガル代表こそギニア代表の失格により繰り上げ出場ではあるが、オランダ代表はU-17欧州選手権を制し、アメリカ代表もCONCACAF U-17選手権を準優勝の成績で出場権を手にするなど相手に不足はない。
今回はそんな激戦区とも言えるグループDで日本代表を脅かす存在となり得る逸材をまとめてみた。
ナジ・ウヌファル(オランダ)
アヤックスの下部組織で最高峰の逸材と知られる彼は、常に飛び級での出場を重ねてきた経歴を持っている。
6月に16歳の誕生日を迎えているが、15歳にして19歳未満の選手を対象としたUEFAユースリーグとU-19エールディヴィジでプレーするなど実力は指折りだ。卓越したサッカーセンスは世代別代表の舞台でも輝きを放っている。
1歳上の世代を相手にU-17欧州選手権ではイタリア代表との決勝戦での得点を含む、2得点を記録しチームを大会連覇に導くなど、16歳で挑むU-17ワールドカップでも要所で結果を残す存在となるだろう。
モハメド・ターブニ(オランダ)
現在、PSVでブレイクを果たしているモハメド・イハターレンはU-17ワールドカップに出場できる年齢ではあるが、今大会は招集外となっている。
そんな彼に代わる存在としてU-17欧州選手権を牽引してきたのがモハメド・ターブニだ。同じくモロッコにルーツを持つ彼も中盤を本職とするファンタジスタであり、U-17欧州選手権の全試合に出場するなど、U-17ワールドカップでもその存在感を見せつけることは必然だろう。
所属クラブであるAZアルクマールでも開幕戦でベンチ入りを果たしており、トップデビューも間近に控える逸材だ。
ジャンルカ・ブシオ(アメリカ)
かつての神童フレディ・アドゥに次ぐ、MLS史上2番目の若さでプロ契約を締結した選手としてアメリカ国内では既に有名な存在だ。
その期待に応えるように、所属クラブであるカンザスシティでは2019年シーズンのMLS第5節から第7節にかけての3試合連続得点を記録し、MLS史上最年少での連続得点記録を樹立している。型にはまることのない才能を持つ彼は、異なるポジションで適応するユーティリティ性を持っている。
CONCACAF U-17選手権では5得点を挙げ、大会ベストイレブンにも選出されるなどU-17ワールドカップでも才能を惜しげなく発揮するだろう。
ジョヴァンニ・レイナ(アメリカ)
アメリカサッカー界のレジェンドであるクラウディオ・レイナを父に持つ彼は、今夏にドルトムントのU-19に加入した逸材だ。
父の才能を濃く受け継いでいる彼は、CONCACAF U-17選手権でもチーム内トップとなる6得点を記録し、チームメイトのジャンルカ・ブシオと共に大会ベストイレブンに選出されている。
彼がユース時代を過ごしていたニューヨーク・シティの監督を2年間務めたことで知られるパトリック・ヴィエラは、彼をかつてのチームメイトであるダビド・トレゼゲに例えており、総合的に優れた選手として手放しに称賛している。
アメリカ代表の10番を着用して臨むU-17ワールドカップでもその名前が広く知れ渡るはずだ。
アリュー・バルデ(セネガル)
ギニア代表の不正登録による失格で繰り上げ出場となったセネガル代表。アフリカU-17ネイションズカップではグループラウンドにおいて1勝も果たせなかったが、その雪辱をU-17ワールドカップで虎視眈々と狙っている。
そんなセネガル代表でも逸材として数えられているのがアリュー・バルデだ。パトリック・ヴィエラによって設立されたジャンバルスFCでプレーする彼は、アフリカU-17ネイションズカップでもモロッコ戦にて得点を記録しており、イギリスのガーディアン紙が毎年発表する「Next Generation」でもセネガルから唯一選出されるなど期待値は高い。
ストライカーとして身長は高いとは言えないが、その身長をハンディであることを思わせない低い重心からなるドリブルはサディオ・マネを彷彿とさせ、U-17ワールドカップでもサプライズとなる可能性もあるだろう。