話題の「5G」をゼロから知っていく本連載。前回は5G通信で使用する周波数帯「サブ6帯」「ミリ波帯」について解説しました。ミリ波帯は電波が遠くまで届きにくい、という弱点も紹介しましたね。

 

【前回の記事はこちら】

【ゼロから知れる5G】第6回/高速・大容量通信を支える周波数帯「サブ6帯・ミリ波帯」について

 

今回は、通信技術の1つである「Massive MIMO(マッシブ マイモ)」について解説します。実はこの技術、5Gの高速・大容量通信にとってかなり重要なんです。

 

複数のアンテナで通信する

Massive MIMOを解説する前に、まずは「MIMO」について知っておきましょう。MIMOとは、「Multiple Input Multiple Output」の略。「複数の(Multiple)入出力(Input/Output)」を意味します。

 

具体的には、(電波の)送信側と受信側の両方に複数のアンテナを置いて、データの送受信を行う通信技術のこと。アンテナが複数あるため、送信側は複数のデータを同時に送信できます。また、送信時に同じ1つの周波数帯を使えることもポイント。同じ周波数帯を使いながら、通信量を増やせる=通信を高速化できることがメリットです。

 

いっぽうで、データの分離に必要な演算が複雑になってしまうというデメリットもあります。同じ周波数帯では、電波は合成波(1つの束になったイメージ)として送信されるのですが、その合成波を受信時に演算処理をして情報ごとに分離する作業が必要になります。

 

また、送信側・受信側でアンテナの数が増えるほど、かかる電力が大きくなることもネックです。

 

MIMOを発展させたMassive MIMO

ではMassive MIMOに戻りましょう。Massiveには「大規模な、大量の」という意味があります。つまり、大規模なMIMOということになります。

 

たとえば、LTEで使われている「2×2MIMO」「4×4MIMO」では、送信側・受信側で2〜4本ずつのアンテナを置きます。また「8×8MIMO」というものもあり、こちらは8本ずつを使用します。

 

Massive MIMOでは、送信側のアンテナ素子が劇的に増加しました。その本数は、数十から数百。MIMOよりもさらに多くのデータを送信できるため、高速・大容量通信の実現には欠かせない技術なのです。

 

実はもう1つ、5G通信を支える技術があるのですが、それはまた次回に紹介したいと思います。Massive MIMO、ちゃんと覚えておいてくださいね。