浦和レッズはエース興梠の活躍もあり、決勝へと進んだ【写真:Getty Images】

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“完全アウェー”の第2戦、後半5分に値千金の決勝ゴール GK西川も好セーブ連発で1-0勝利

 浦和レッズは23日にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝第2戦で広州恒大(中国)とアウェーで対戦。

 約5万人の完全アウェーの環境で、エースFW興梠慎三の決勝ゴールで1-0と勝利し、2戦合計3-0で2年ぶり3回目の決勝進出を決めた。

 初戦にホームで2-0と勝利している浦和は普段と同じ3バックシステムで、前線にはACL通算で日本人最多ゴールのFW興梠慎三のほか、初戦で弾丸ミドルを決めたFWファブリシオやMF長澤和輝を起用。ボランチにはMF阿部勇樹が入った。一方の広州は、初戦はアウェーで5バックの守備的なシステムだったが、最低2得点が必要なホームゲームでFW登録の選手4人を含む4-4-2システムで臨んだ。

 立ち上がりはそれほど広州の圧力は強くなかったが、次第に浦和は押し込まれる展開になった。そのなかで前半16分にはFWヤン・リーユーが右サイドを突破して入れた低いクロスにMFアンデルソン・タリスカが左足で合わせたが、GK西川周作がファインセーブ。続く同19分にもショートコーナーからタリスカのヘディングシュートを許したが、枠外に外れた。

 逆に浦和は同21分にゴール正面からファブリシオが強烈ミドルを放ち、同23分には左サイドのMF関根貴大の突破をきっかけに今度は阿部がゴール正面からミドルで狙ったが、いずれもGKゾン・チョンのセーブでゴールはならなかった。

 浦和の前半で最大のピンチは同38分、右サイドの浅い位置から入ったアーリークロスをゴール正面でタリスカに受けられると、反転されてそのまま西川と1対1でのシュートを許した。しかし、これはゴールポストを直撃して事なきを得て、両ゴール前を中心に激しいぶつかり合いで選手たちが倒れ込む場面もあったゲームは、0-0で前半を終了した。

 両チーム交代なしで迎えた後半の立ち上がり、浦和に待望の一撃が生まれる。後半5分、中盤で相手のパスミスを阿部がカットすると右サイドに展開。MF橋岡大樹が縦に突破してクロスを上げると、ファーサイドから得意のパターンでマークを外した興梠が、相手の前でヘディングシュートを叩き込んで先制。1-0とリードを奪い、広州に4点が必要な状況を突きつけた。

 広州のファビオ・カンナバーロ監督は直後に2枚替えで総攻撃の体制にシフト。ゴール前でFWエウケソン、タリスカ、MFパウリーニョに立て続けにシュートを打たれる場面もあったが、西川が体を張ったセービングでしのいだ。しかし、守護神は同14分にゴールキックに時間をかけたということで、イエローカードを提示されてしまった。これが決勝トーナメントで累積2枚目となり、決勝のアル・ヒラル(サウジアラビア)との初戦は出場停止になってしまった。

 全体に広州に押し込まれながらも落ち着きを取り戻した浦和は、ゴール前へ侵入される回数を減らす安定感のある戦いで、このまま1-0で逃げ切り。これまでクラブの歴史でACLの中国遠征は8戦未勝利だったが、初の勝利を収めてサウジアラビアのアル・ヒラルが待つ決勝への切符を手に入れた。(Football ZONE web編集部)