求愛行動で大きな鳴き声を発生する雄のスズドリ。Anselmo d’Affonseca氏提供(2019年10月21日入手、撮影日不明)。(c)AFP=時事/AFPBB News

写真拡大

【AFP=時事】南米アマゾン(Amazon)北部の山岳地帯に生息するスズドリがこのほど、同じくアマゾンに生息するムジカザリドリの記録を抜き、世界で最も鳴き声が大きい鳥に認定された。

 スズドリの雄は、耳をつんざくような鳴き声を発して雌に求愛行動をする。その鳴き声はクラクションに似ていて、音量はくい打ち機と同じ騒音レベルに達している。

 今回、鳴き声の録音に成功したのは、米マサチューセッツ大学アマースト校(University of Massachusetts Amherst)の生物学者ジェフ・ポドス(Jeff Podos)氏とブラジル国立アマゾン研究所(INPA)のマリオ・コーンハフト(Mario Cohn-Haft)氏の研究チームで、論文は米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に21日、発表された。

 研究チームは、雄のスズドリの鳴き声があまりに大きいため、なぜ雌は聴力を損なわずに至近距離で聞くことができるのか疑問に思ったという。

 スズドリはハトほどの大きさで、体重は約250グラムと小型だ。雄の羽毛は白色で、くちばしから白い斑点で飾られた黒色の肉垂(にくすい)が垂れ下がっている。一方、雌の体は緑色で黒いしま模様があり、肉垂はない。

 ポドス氏はAFPに対し、幸運にも雄と雌が同じ木の枝に止まって、鳴き声を発している場面に遭遇したと語った。「雄は雌に顔を向けずに最初の音を発した。その後、雄は足を大きく広げながら、まるで芝居のように劇的にくるりと振り返ったため、肉垂が激しく揺れた」

 さらに雄は、雌がいるまさにその場所に向かって2声目を発したが、雌はその求愛行動を受け入れず、4メートルほど後方に飛んだという。

 なぜ雌が、それほど近い場所で自発的に、最大113デシベルもする雄の鳴き声に身をさらすのかは明らかになっていない。113デシベルとは、人間が痛いと感じる閾値(いきち)を上回っており、大音量のロックコンサートや60メートル先で離陸出力に達したターボプロペラ機の音に匹敵する。

 ポドス氏は「雌は聴覚を傷つける恐れがあるものの、雄を近くで評価しようとしているのかもしれない」と述べた。

 さらに研究チームは、スズドリの鳴き声の音量が大きくなるほど、発声が短くなることも発見した。空気の流れを制御し、音を発生させるスズドリの呼吸器系能力に限界があることから、このようなトレードオフが起こるという仮説を研究チームは立てている。

 このことは、性淘汰(とうた)、つまり繁殖に有利な特性の選択を通じて、スズドリがどれほどの大声を出せるようになるまで進化するのかということについて解剖学的限界を設置すると考えられるという。

【翻訳編集】AFPBB News