トンプソンは代表引退を明言した【写真:荒川祐史】

写真拡大

8強南ア戦は「信じられへん」、2度目の引退撤回は笑顔で完全否定「これは絶対終わり」

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は20日、東京スタジアムで準々決勝の第4試合が行われ、日本は南アフリカを相手に3-26で散った。今季限りで現役引退を表明している38歳、トンプソン・ルークは、最後の代表戦を終え「これはチームだけじゃない、日本の皆さんでいいトーナメントにした」と、チームの快進撃を支えたファンの応援に感謝した。

 日本代表では史上最多となる4度目のW杯出場。長年の目標だったベスト8進出を決めた今大会、チーム最年長ながら誰よりも積極的にボールを目指して密集に飛び込んだ。準々決勝となったこの日も、先発メンバーとしてグラウンドに立つと、後半13分でベンチへ下がるまで全力を出し切った。

 4度目のW杯の感想を聞かれると「最高。最高です」と笑顔を見せた。2015年の前回大会、プール戦で南アフリカを破り、3勝しながら勝ち点で決勝トーナメント進出ならず。自国開催となった今回は、2015年を超えるパフォーマンスを期待され、そしてベスト8の目標を達成したが、開幕前は「15年のレベルまで行けるか、ちょっと心配だった」と明かす。それだけに「このトーナメントでは、みんなメチャいいプレーをした。誇りに思います」と胸を張った。

 大会を通じて、日本ラグビーの「文化がちょっと変わった。勝つ文化(が生まれた)」と手応えを感じている。「今までも頑張ってきたけど、ティア1のチームに勝つのは無理だった。でも、今は(勝つと)信じられる。いいプレー、ゲームプランを(遂行)できれば絶対に勝つ」。4度のW杯を経験したからこそ、今までにない変化がうれしかった。

愛妻に感謝「いつも応援してくれた。奥さんに感動しました」

 前回のイングランド大会を終え、一度は代表を引退したが、今年に入って急遽復帰。夫人や子供たちの後押しがあった。試合後、家族のサポートについて話が及ぶと「奥さんはすごい。いつも応援してくれた。奥さんに感動しました。応援してくれなかったら、僕はこのW杯に出ていなかった。奥さんは特別」と、時折声を詰まらせながら心からの感謝を並べた。

 代表からの引退は、これが2度目。また引退撤回の可能性もあるかと思いきや、それは2度とないようだ。

「(引退は)絶対です。38歳。これは絶対終わり。1年前は信じられなかった。日本代表でプレーして、W杯の準々決勝で南アフリカとやるなんて信じられへん。チームメートとコーチングスタッフに感動しました」

 所属する近鉄ライナーズは、現在シーズンの真っ只中。今季を終えたら、現役生活そのものに幕を下ろす。「僕は近鉄に11月から戻る。それが楽しみです」。最後の一瞬まで、全力を出し尽くす。(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)