喜美子(戸田恵梨香)は荒木荘で女中をしながら、住人の庵堂ちや子(水野美紀)が勤める新聞社でも試しに働き始めた。清掃やお茶出しが主な仕事だった。荒木荘では見たことのないちや子の仕事ぶりと迫力に喜美子が圧倒されていると、編集長の平田昭三(辻本茂雄)が話しかけてきた。「庵堂はな、仕事が好きなんや。男を押しのけて女一人。男の2倍は働く。ブン屋の誇りも人の2倍はある」

喜美子にはまぶしかった。「ああ、預かっていた信楽焼のかけら。先生がな、価値があるないより、どんだけ古いかを話してくれたわ。おそらく室町時代の焼き物やて」と、平田が思い出したように言う。喜美子はそれをお守りにしていて、喜美子にとっても価値があるのかないのかはどうでもよかった。かけがえのないものなのだ。

「お金よりも夢」初めて自分の将来と生き方を考えていると・・・

荒木荘に戻ると、役者志望の住人・田中雄太郎(木本武宏)の映画出演が決まったと盛り上がっている。「大阪ここにあり」という台本に目を輝かせる喜美子。「雄太郎さん、すごいなあ。信じられんわ」

荒木商事の社長で荒木荘の主人でもある荒木さだ(羽野晶紀)が話しに加わる。「お母さん、どうゆうてはる?」

田中「一人前になるまでは、言えるかいな」

喜美子「お金もらえへんのですか、映画俳優って」

田中「もらえるよ、キミちゃん。人気が出たら、家一軒建つくらい」

さだ「夢やな」

お金よりも夢が大事という雄太郎の言葉と、深夜まで男ばかりの職場で働きづめのちや子に触発され、喜美子は自分の将来を見つめていた。そんな深夜に、とんでもない知らせが入った。(NHK総合あさ7時45分)