IIJmioのeSIMを契約したら、iPhoneのアンテナが2列に

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グーグルが最新スマートフォン「Pixel 4」を発表した。シリーズお得意のカメラ性能が話題だが、隠れた注目ポイントが「eSIM(イーシム)」だ。このeSIMによって、どんな変化が起こるのか。

差し込まない「埋め込まれたSIM」

頭文字のeは「embedded」の略で、「埋め込まれた」といった意味。スマホをはじめとする携帯電話を使う時には、SIMカードを差し込むのが一般的だが、eSIMは機種そのものに埋め込まれている。差し換えられない代わりに、「書き換えられる」のが特徴だ。

グーグルは2019年10月16日(日本時間)、「Pixel 4」を発表した。2眼カメラとAI(人工知能)による画像処理により、高画質な写真を撮影できることに加え、スマホに触らなくても操作できる「Motion Sense(モーションセンス)」の搭載でも話題になっている。

そしてPixel 4では、日本版がeSIMに対応した。前モデルの「Pixel 3」では海外版のみ対応で、日本ではeSIMの代わりにFelica(モバイルSuicaなどに使える無線技術)に対応していた。今モデルでは、日本版でもeSIMとFelicaの両方が搭載されている。もちろん従来のSIMカードを入れるスロット(挿入口)もある。なおeSIMはiPhoneでも18年9月発売のXS、XRから対応していて、スマホ業界の標準装備になりつつある。

eSIM一番のメリットは、いちいちSIMカードを抜き差ししなくても、使う回線を変えられることだ。海外ではeSIM向けのプリペイドプランが提供されていて、旅行の時に現地で契約すれば、高いローミング料金を払わなくても、データ通信できるのはうれしい。

国内でのサービス提供は1社のみ

SIM発行を待たずに、自宅で気軽に回線契約できるが、国内で現状、スマホ向けのサービスを提供しているのはIIJ(インターネットイニシアティブ)のみ。いわゆる格安SIMである「IIJmio」では、19年7月からベータ版として「ライトスタートプラン」(6GB、税抜1520円/月)を提供している。通話やSMSはできないが、データ通信は可能だ。

たとえば最新のiPhone 11の場合、主回線(SIMカード)と副回線(eSIM)の両方で、同時待ち受けできるDSDS(デュアルSIM・デュアルスタンバイ)に対応している。副回線としてIIJmioと契約すると、主回線のデータ容量を使い過ぎた時の「保険」になる。また、IIJmioはNTTドコモ回線を使っているため、auやソフトバンクをメインとしている人には、圏外や通信障害時のバックアップ回線としても機能する。

現状でドコモ、ソフトバンク、KDDI(au)の3大携帯電話会社は、eSIMの導入に積極的ではない。Apple Watchなど一部機種は対応しているが、2回線を同時利用できるようにはなっていない。その一方で、新たに自ら回線を持ち、10月からサービスを開始した楽天モバイルは、今後eSIM対応機種を拡充するとしている。「三つ巴」に割って入る楽天が、eSIM普及の原動力になれるか注目だ。

(J-CASTニュース編集部 城戸譲)