キャリアコーチのリズ・ベントリーさんによる、人気のお仕事相談コーナーを<marie claire>よりご紹介。今回は、「どんな会社でも通用する、昇進のためのヒント」を教えてくれました。

語り:リズ・ベントリー

相談:次の昇進が見えません。仕事の内容は大好きだけど、今の会社でははっきりしたキャリアパスが見えないのです。転職するべきでしょうか? それとも、上司にアドバイスを求めてみるのがいいでしょうか?

今日、働く人々にとって昇進は難しい課題です。あなたのように仕事を楽しみ、職場に満足しながら、肩書きの点でも収入の点でもステップアップが叶わないという人たちはたくさんいます。その理由の1つは定年延長です。現代の70歳は、かつての60歳と考えられます。長寿が叶うようになったゆえに、その分だけ稼がなければならず、かといってトップへの道が開けるわけでもなく、昇進の動きは抑えられているのです。

また、私たちは大きな変化の時代を生きており、その大部分はテクノロジーとコミュニケーションの革命によってもたらされています。これが産業全体に影響を与え、創造的破壊者が生き延びて、物事の動きを促進しているのです。企業は臨機応変にならざるを得ず、その結果、スタッフに求めるものも変化し続けることになります。こうした状況では昇進の道は不明瞭で、従業員は忍耐力と創造力を常に求められることに。そこで、今回はこの時代にどんな企業でも通用する、昇進のための4つステップを紹介したいと思います。

1.昇進に必要なスキルを予想し、磨く

ビジネスによって、昇進に必要な運営能力や責任能力は異なります。まずは、必要とされるスキルを認識しましょう。これは、技術的にも、また人格面においても必要とされること。技術的なスキルには、複雑な計算、交渉、分析、ソーシャルメディアの扱い、特殊なソフトに関する専門知識などがあるでしょう。一方、対人関係のスキルには以下のような能力が挙げられます。

対面でのコミュニケーション力:ミーティングではっきりと話し、メッセージをきちんと伝え、適切に発言すること。的確な言葉を選び、正しい文法と言葉づかいを心がけましょう。

オンライン上でのコミュニケーション力:Eメールをはじめ、テキストやSlackなど、ビジネスにおけるコミュニケーションツールはさまざま。そこで必要とされるのが、読みやすく簡潔で理解しやすい、プラットフォームに適した文章の作成です。

コミュニケーションは人々を導き、管理するのに不可欠です。それは、管理職だけに留まりません。あらゆるタイプの性格の人とうまくつき合い、彼らを動かす力が、すべてのビジネスパーソンに必要とされるのです。人々を指導し、課題を成功に導く対人関係能力ですね。仕事ができると同時に、たくさんの敵を作る人がいます。しかし、最終的に評価されるのは、スムーズに仕事をこなしながら、円滑に人間関係を築ける人なのです。

2.積極的に動き、可能性を探る

昇進に必要なスキルを知り、課題に着手したら、次のポジションを探し始めましょう。大切なことは、自分がまだそのポジションに就く用意ができていなくても、すぐに探し始められる状況にあるということ。時間がかかる場合もあるので、よく状況を把握しながら、そのときに備えておきましょう。ポジションを得るために、昇進の決定権を持っている人を認識することも大切。ただ、決定権を持つ人は、1人ではないかもしれません。社員の退職、解雇、昇進など、職場に変化が生じるときは、管理職のポストが空くタイミングでもあります。いずれにせよ、あらかじめ予想できるものではないので、来るべきときに向けた備えが必要なのです。

3.模範的な態度で

誰もが昇進を望んでいるのだと自覚しましょう。みんながみんな、1つのポジションに留まっていたいわけではありません。仕事に全力を注ぐことで、会社への貢献を示しましょう。上司の考える仕事の目標を知り、チームと連携し、大局的見地に立って力を発揮するのです。いつでも、より多くの責任を負うようにすること。愚痴を言ったり、不満を表したりしてはいけません。

4.アドバイスを受け、常にネットワークづくりを

上司にアドバイスを求めたり、キャリアの目標を話したりすることを恐れることはありませんが、物事を見通すために、信頼のおける相談相手や同じ業界にいる社外の人たちの声に耳を傾けることも大切。もし、今の会社では昇進できないと思うのであれば、転職を考えることも必要かもしれません。ただし、まずは今いる業界から、別の会社を当たってみましょう。そのためには、ネットワークづくりが重要になります。社外にも繋がりを持つことで、今のあなたのポジションや業種を維持しながら、将来の動向も見据えることができるようになるのです。

キャリアを通して覚えておきたいのは、「先を見越すこと」「機敏であること」「常に学び続けること」の3つです。キャリアを築くのはあなた自身。熱心に働いてスキルを磨き、チャンスを探れば、昇進への道が開けてくるはずです。

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:mayuko akimoto

MARIE CLARE