【独活】って読める?読めない!「読みたい漢字ファイル」vol.6

写真拡大 (全9枚)

その言葉を単独で差し出されたら読める人はほとんどいないかも?という、読めないけど読めたら自慢できそうな“難読漢字”をクイズ形式で紹介していきます。

今回は、文字から寂しさが立ち上ってくるようなこちら。

就活、婚活、妊活… 色々な活動がありますが「独活」なんて…
ひとりぼっちが好きなのか、はたまたテレビドラマのような「結婚できない男」?

ちなみに「独楽」、一人で楽しむと書いたらこれは「コマ」のこと。
紐をぐるぐる巻いてエイっと投げる、あのコマですが、確かにコマは一人で遊んでも楽しいかも。

「独活」は食べられるんです。でもきんぴらだったらごぼうの方がポピュラーだし、煮物にするなら切り干し大根の方が人気? と言うわけで、何にするにも中途半端ってとこがありますね。あんまりお役立ち度は高くありません。

そんなことわざ、ありましたね…
「独活」って実際に食べるより、ことわざ方面での知名度の方が高そうです。

ではちょっと早いですが、正解を画像でお見せしましょう。ジャーン!

と見せられてもわかりませんね。では今度こそ正解を。

正解は…

 

 

【独活=うど】です。

独活って、食べたことがあるのかないのか、多分あるんでしょう。でも印象に残らないのかもしれません。春に旬を迎える山菜です。

ちなみに上の画像は育ちすぎてもう食べてもおいしくない、いわゆる「独活の大木(役に立たない)」と言われる時期の独活。

下の画像が食べごろの独活です。

ほろ苦さがたまらない葉の部分は天ぷらなどに、シャキシャキした茎はきんぴらや和え物にと、旬の独活は決して「役に立たない」ような山菜ではないんですけどね。

1.5mほどまで成長するという独活ですが、この状態で風に吹かれ、ゆらゆら揺れている様子から「独活」=ひとりで動いている、という意味の漢字が当てられたという説が濃厚です。

では二問目です。

「かば きみひで」? かばちゃん? 人名みたいですが違います。「蒲」の字は「蒲焼き」のかばですが、この字はもともと植物のガマ(穂先に円柱形の穂がついた植物)からとったもの。

「蒲公英」も植物ですが、これは中国由来の表記です。中国にも昔からこの花があるということですね。中国語ではこの漢字を書いて「ぷーこんぎん」と発音するそうです。

ユーラシア大陸をメインに、わりと世界中で見られる「蒲公英」は、もちろん古くから日本にもありました。昔々には「フヂチ」や「タナ」、江戸時代に入ると「鼓草(つづみぐさ)」と呼ばれていたそうですが、徐々にその鼓の響きからついた名前が広まり、現在の名称になったのだとか。

さあ、わかりましたか?

「ぃよ〜おっ、タンッ、ポポッ」

聞こえましたね? 鼓の音。

正解は…

【蒲公英=たんぽぽ】です。

元から日本に存在した「たんぽぽ」に、中国から入ってきた漢名「蒲公英」を当てただけなので、この場合、読み方は漢字と全くシンクロしないのです。

それにしても、昔の日本人に言いがかりをつけるわけではありませんが、たんぽぽ、鼓に見えます? 英語の「dandelion」のように、ライオンに似ているって言う方が正しく感じますよね?

でもこの鼓に似ていると言われていた部分は、花ではなく、たんぽぽの茎なんだそう。

たんぽぽの茎はストロー状になっているので、3~4cmに切って両端に数カ所切り込みを入れると、クルクルと外側に丸まって、まるで鼓のような形になるんです。そんなたんぽぽでの遊び方があるのだとか。ご存知でしたか?

今度道に咲いているのを見つけたら、ちょっとやってみたいですね♪

それではまた次回をお楽しみに…

文/伊波裕子

https://kurashinista.jp/column/detail/5210
https://kurashinista.jp/column/detail/5240