【独活】って読める?読めない!「読みたい漢字ファイル」vol.6
その言葉を単独で差し出されたら読める人はほとんどいないかも?という、読めないけど読めたら自慢できそうな“難読漢字”をクイズ形式で紹介していきます。
今回は、文字から寂しさが立ち上ってくるようなこちら。
就活、婚活、妊活… 色々な活動がありますが「独活」なんて…
ひとりぼっちが好きなのか、はたまたテレビドラマのような「結婚できない男」?
ちなみに「独楽」、一人で楽しむと書いたらこれは「コマ」のこと。
紐をぐるぐる巻いてエイっと投げる、あのコマですが、確かにコマは一人で遊んでも楽しいかも。
「独活」は食べられるんです。でもきんぴらだったらごぼうの方がポピュラーだし、煮物にするなら切り干し大根の方が人気? と言うわけで、何にするにも中途半端ってとこがありますね。あんまりお役立ち度は高くありません。
そんなことわざ、ありましたね…
「独活」って実際に食べるより、ことわざ方面での知名度の方が高そうです。
ではちょっと早いですが、正解を画像でお見せしましょう。ジャーン!
と見せられてもわかりませんね。では今度こそ正解を。
正解は…
【独活=うど】です。
独活って、食べたことがあるのかないのか、多分あるんでしょう。でも印象に残らないのかもしれません。春に旬を迎える山菜です。
ちなみに上の画像は育ちすぎてもう食べてもおいしくない、いわゆる「独活の大木(役に立たない)」と言われる時期の独活。
下の画像が食べごろの独活です。
ほろ苦さがたまらない葉の部分は天ぷらなどに、シャキシャキした茎はきんぴらや和え物にと、旬の独活は決して「役に立たない」ような山菜ではないんですけどね。
1.5mほどまで成長するという独活ですが、この状態で風に吹かれ、ゆらゆら揺れている様子から「独活」=ひとりで動いている、という意味の漢字が当てられたという説が濃厚です。
では二問目です。
「かば きみひで」? かばちゃん? 人名みたいですが違います。「蒲」の字は「蒲焼き」のかばですが、この字はもともと植物のガマ(穂先に円柱形の穂がついた植物)からとったもの。
「蒲公英」も植物ですが、これは中国由来の表記です。中国にも昔からこの花があるということですね。中国語ではこの漢字を書いて「ぷーこんぎん」と発音するそうです。
ユーラシア大陸をメインに、わりと世界中で見られる「蒲公英」は、もちろん古くから日本にもありました。昔々には「フヂチ」や「タナ」、江戸時代に入ると「鼓草(つづみぐさ)」と呼ばれていたそうですが、徐々にその鼓の響きからついた名前が広まり、現在の名称になったのだとか。
さあ、わかりましたか?
「ぃよ〜おっ、タンッ、ポポッ」
聞こえましたね? 鼓の音。
正解は…
【蒲公英=たんぽぽ】です。
元から日本に存在した「たんぽぽ」に、中国から入ってきた漢名「蒲公英」を当てただけなので、この場合、読み方は漢字と全くシンクロしないのです。
それにしても、昔の日本人に言いがかりをつけるわけではありませんが、たんぽぽ、鼓に見えます? 英語の「dandelion」のように、ライオンに似ているって言う方が正しく感じますよね?
でもこの鼓に似ていると言われていた部分は、花ではなく、たんぽぽの茎なんだそう。
たんぽぽの茎はストロー状になっているので、3~4cmに切って両端に数カ所切り込みを入れると、クルクルと外側に丸まって、まるで鼓のような形になるんです。そんなたんぽぽでの遊び方があるのだとか。ご存知でしたか?
今度道に咲いているのを見つけたら、ちょっとやってみたいですね♪
それではまた次回をお楽しみに…
文/伊波裕子
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