ジョンソン英首相=15日、ロンドン(AFP時事)

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 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)と英国は17日、EU離脱案の見直しをめぐる交渉で合意した。

 最大の懸案だった英領北アイルランドの国境管理問題で歩み寄り、妥協点を見いだした。EUは同日の首脳会議で、修正した新たな離脱案を承認した。月末に離脱期限が迫る中、合意が絶望視されていた一時の行き詰まりから一転、「合意なき離脱」回避へ大きく前進する。

 今後は離脱案批准に必要となる英議会と欧州議会双方での承認が焦点となる。英政府は19日に英下院に修正離脱案を諮る予定だが、与党・保守党は過半数に満たない上、閣外協力している北アイルランドの地域政党・民主統一党(DUP)は不支持を表明しており、承認を得られるかは不透明だ。否決されて離脱期限が再び延期される展開もあり得る。

 合意を受け、ジョンソン英首相は「主権を取り戻す素晴らしい新たな合意を得た」とツイッターで強調。議会に承認を促した。ユンケル欧州委員長も「EUと英国にとって公平でバランスの取れた合意だ」と自賛した。

 修正案では、英国全体がEUの「関税同盟」に残留する従来の解決策を撤廃。北アイルランドのみが英国の関税体系下にありながら、実質的にEUのルールに従う。この制度を継続するかは4年ごとに、地域の賛否を問う。関税同盟脱却を訴えたジョンソン氏が譲歩した一方、EU側も姿勢を軟化させた。

 また、双方の将来の関係を描く「政治宣言」では、自由貿易協定(FTA)を結ぶことを明確にした。