今回の大災害報道で、時間を追うごとに災害の大きさが酷くなっていった事情を加味しても、媒体によって、また政府の発表でも、数字に大きな差があったことは問題ではないか。一番大切な失われた人命について、一体どれを信じればよいのかわからなかった。
当初、テレビでは58人死亡と出たり、NHKではいち早く60人の大台を超えていたのに、15日に国会中継(参議院)をほぼ午後中全部聞いていたら、間の抜けたことを言っていた。60人以上もの人が亡くなっていると言われていた時点で、総理大臣は33人と答えていたらしい。忙しかったにしても、お付きが知らせないのか。
ドローンがテレビ報道に使われだして以来、昔のように地べたの取材だけでなく、高い所からの俯瞰視によって、その地域の全貌がわかるようになったのはいいことだが、それでも全国的な死者や怪我人数の総括的な取材は紙媒体に劣る。映像という武器に頼りすぎるからか、数字の統計については断然紙媒体の方が正確である。
総選挙の当確が多少ズレても後で訂正が効くが、今回のように山間の集落の独り暮らしのお年寄りなどの生死は中々確かめにくいので、報道頼りになる。16日現在で、NHKは死者数72人、4チャンネル(ミヤネ屋)は66人と言っているが、この朝配達された毎日新聞の1面には『台風死者74人に』と大見出しが躍っていた。多分、行方不明の人を死者に入れていない媒体があるということだろうが。(放送2019年10月11〜16日)

(黄蘭)